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ジョン・ドリトル : ウィキペディア日本語版
ジョン・ドリトル

ジョン・ドリトル()は、20世紀前半にアメリカ合衆国で活動したイギリス出身の小説家ヒュー・ロフティングによる児童文学作品『ドリトル先生』(''Doctor Dolittle'')シリーズの主人公である架空の博物学者医学博士ジェントリ
名前の読みは本来の英語に即した発音では「ジョン・ドゥーリトル」であるが、日本では1941年井伏鱒二がシリーズ第1作『ドリトル先生アフリカゆき』を紹介して以降「ドリトル」と表記・発音するのが慣例となっている(詳細はドリトル先生シリーズ#「ドリトル」という表記についてを参照)。
== 人物像 ==
イングランド西部のスロップシャー(Slopshire)〔架空の地名だが、僅かに綴りの異なるシュロップシャー(Shropshire)という州(シャイア)は実在する。〕にある田舎町、沼のほとりのパドルビー(Puddleby-on-the-Marsh)の、オクスンソープ通りに面した先祖代々の広大な屋敷に住んでいる。体型はころころとした超肥満型で、第4巻『サーカス』第1部2章ではマザー・グースに登場するハンプティ・ダンプティになぞらえて紹介されている。パイプ煙草を愛用し、フロックコートシルクハットステッキ姿で登場する典型的な英国紳士。ダラム大学医学博士号を取得している〔『航海記』における新聞記者のインタビューの描写より。但し史実でのダラム大学の創立は1832年であり、ドリトル先生がそれ以前の1820年代に医師として活動していた、という設定とは合致しない。〕。性格は温和だが、いざと言う時の戦闘能力は高く、第2巻『航海記』第5部における部族戦争をはじめとして、格闘する場面がいくつかある。また水泳も得意であるなど、身体能力は高い。一方、音楽にも造詣が深く、フルートの演奏を趣味の一つとしている。
冒険家肌の博物学者であり、非常に意志が強く、辛抱強い。一度決心すると、どんな困難が降りかかってこようともけして諦めず、希望を持って頑張り通し、ついに目標を達成してしまう。相手の言葉に理がある時は、たとえ無学な子供であろうと貧者であろうと尊重し、相手が間違っていれば、国王であろうと怖気ずに進言する。その性格と生活態度から、一般人からは「紳士だけど風変わり」と評判の人物である。
動物達の意志と権利を尊重する観点から、自国のキツネ狩りスペイン闘牛を野蛮な行為と断じ、根絶すべきであると強く主張している。実際にイングランドの一地方ではキツネ狩りを実質的に廃止へ追い込み〔『サーカス』第3部5章。〕、スペイン領のカパ・ブランカ島では、闘牛の全面禁止を賭けて本職の闘牛士と対決した〔『航海記』第3部。〕。さらに動物を利用した営業行為の現状を虐待であると論じ、不衛生なペットショップから動物たちを救出したり〔『キャラバン』第2部3章。〕、自ら理想的な動物園サーカスを実現したりしてみせた。先生自身は家畜廃止論者ではなく、菜食主義でもない〔『サーカス』第3部で、キツネがウサギやヒヨコを狩る行為は必要悪と猟犬に説く場面が代表的。〕。
「未開の民を、優れたキリスト教徒としてのイギリス人が教化する」という植民地主義に肯定的な発言が多少見られるものの〔イギリス帝国ヴィクトリア朝における国是であり、当時の白人層における常識とされていた。『航海記』第6部や『郵便局』第1部など。〕、ドリトル先生自身は当時では珍しいほど、人種や階層などにはこだわらない人物として描かれている。先生が最も尊敬する博物学者、ロング・アローアルファベットを解さない非識字者インディアンであり〔風体は北米のインディアンだが「アンデス出身」とされている点などラテンアメリカインディオとの混同が見られる。〕、また親友であるジョリギンキ国王子のカアブウブウ・バンポはアフリカ黒人マシュー・マグはペット用の屑肉を扱う猫肉屋を生業とする貧民層の人物である。無学で貧しいトーマス・スタビンズも当初から「トミー君」や「坊や」ではなく「スタビンズ君」と呼び、子供扱いせず一人前の助手として扱っている〔『楽しい家』の「虫ものがたり」では一度だけ「トミー」と呼んでいる。〕。
一方、女性との付き合いは苦手で、細々した身の回りのことでとやかく言われることについていつもこぼしている。女性との交流はマシューの夫人であるテオドシア・マグを除いてほとんどなく、妹のサラからは絶縁されてしまっている。当時のジェントリの多くの例に漏れず独身であり、第2巻『航海記』第5部9章ではバンポの父であるジョリギンキ国王が120人の妻を持つことを聞かされ、「それはますますよろしくない、120倍もよろしくない」と評している。また金銭に対して無頓着で、多少の収入があっても、研究や気の毒な動物たちのためにすぐ使ってしまい、広大な屋敷を除いて無一文という状態が珍しくない。それでも楽しく幸福でいられるのは先生の人望を慕う多くの友人や動物に囲まれ、困った時はいつでもその協力が得られるからである。剃刀の代わりにガラス瓶の破片で髭を剃るという、合理性と無頓着のどちらにも解釈できる癖を持つ。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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