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スカイボルト(ダグラス GAM-87/AGM-48 Skybolt)は、1950年代後半にアメリカ合衆国で開発されていた空中発射弾道ミサイルである。 == 概要 == 弾道ミサイルの実用化は、それまでの戦略爆撃機に対して飛躍的な長距離戦略攻撃力をもたらしたが、初期の弾道ミサイルの最大の欠点として、秘匿と敵の先制攻撃に対する防護が不十分なことがあった。1950年代においては核弾頭の至近炸裂に耐えうる対爆発射設備(ミサイルサイロ)がまだ開発されておらず、アメリカ空軍の露天・固定配備の弾道ミサイルは生存性に対して大いなる疑問が持たれていたことから、弾道ミサイルに高い秘匿性と生存性を持たせるべく発案されたのが“空中発射弾道ミサイル”という兵器システムである。 これは、爆撃機に搭載され、空中で切り離された後に点火、飛行する中距離弾道ミサイルである。弾道ミサイルを航空機に搭載すれば、一旦離陸して空中待機体制に入れば、常時その所在地を変更することができるために秘匿性が高く、敵の先制核攻撃に対しても高い生存性があると考えられていた。また、大陸間弾道ミサイルの実用化によりその存在価値を大幅に減じることになる戦略航空軍団(アメリカ空軍戦略爆撃機部隊)にとっては、大型爆撃機の新たな任務運用法として注目された。 しかし、開発にあたり技術的困難が多く、開発に伴う一連のテストが失敗し、これが原因で開発計画が中止された。スカイボルト計画に参加していたイギリスは、次期核ミサイル計画がなくなることにより、その核戦略に大きな問題が生じ、外交関係に影響を与えた。 “空中発射弾道ミサイル”という兵器システムに関する研究はその後も継続されたが、1960年代に入り、十分な対爆防護能力を持ち、弾道ミサイルを即時発射可能な状態で待機させることができる地下施設であるミサイルサイロが実用化されたことから、以後の研究はキャンセルされた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スカイボルト (ミサイル)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 GAM-87 Skybolt 」があります。 スポンサード リンク
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