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理論物理学において、スカラー場の理論(スカラーばのりろん、scalar field theory)とは、スカラー場を古典的、あるいは量子的に記述する理論である。ローレンツ変換のもとで不変な場をスカラー場と呼ぶ。量子化されたスカラー場はスピン0のボース粒子に対応しており、これらの粒子をスカラー粒子と呼ぶ。また、この場はクライン-ゴルドン方程式に従うことから、クライン-ゴルドン場、クライン-ゴルドン粒子とも呼ばれる。 現在のところ、自然界で観測されうるスカラー場の唯一の例は、未発見のヒッグス粒子である。π中間子などの中間子の中にもスピン0のボース粒子があるが、これらを場として扱う場合、厳密にはスカラー場としてではなく、パリティ変換のもとで不変でない擬スカラー場として扱う。スカラー場は数学的な扱いが比較的単純なため、場の理論でしばしば最初に導入される例となる。 この記事では、同じ添え字の連続はアインシュタインの縮約を表す。古典論は(D-1)次元の空間と1次元の時間を持つD次元の平らなミンコフスキー空間において定義する。ミンコフスキー空間の計量テンソルはdiag(+1, -1, -1, -1)を採用する。 ==スカラー場の古典論== ===自由スカラー場=== 運動項と質量項のみで構成される場を自由場と呼ぶ。相対論的な自由スカラー場の作用は以下のように定義される。 : ここで、 はラグランジアン密度である。これは場φについて2次の項のみで構成されており、導出される運動方程式がφの1次までの微分方程式として表されることから、線形項と呼ばれる。m2に比例する項は質量項と呼ばれ、量子化された際には粒子の質量として解釈される。 上記のラグランジアン密度をスカラー場φについてのオイラー=ラグランジュ方程式に代入することで、この理論の運動方程式が得られる。 : これはクライン=ゴルドン方程式と同様の形式である。ただし、ここでは量子力学の方程式ではなく、古典場の方程式として解釈している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スカラー場の理論」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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