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スガイ
スガイ(酢貝)''Lunella coreensis'' は、腹足綱リュウテン科に分類される巻貝の一種。 ==概要== 極東の潮間帯に生息し、日本の磯に於いてはイボニシなどともに普通に見られる種の一つである。特に西日本の静穏な海岸域では個体数が多い。食用種。和名はその蓋を酢に入れて自然に動くのを楽しんだことに由来する。このため「酢貝」という名は本来は本種の蓋に対する名であって、貝自体にはカラクモガイ(唐雲貝)などの名がある。他に郎君子、相思螺、津美(つび)、鬼眼睛、雌雄石などの名があるが、そのうちのいくつかは「酢貝」と同様に本種の蓋に付けられたものである。 20世紀中は、より南方に分布するカンギクの亜種とされることも多く、両者は殻の突起の強弱などで区別されて来たが、ミトコンドリアDNAによる系統解析を行ったNakaneら(2007)〔Tomoyuki Nakano, Kyoko Takahashi & Tomowo Ozawa (2007) Description of an endagered new species of ''Lunella'' (Gastropoda: Turbinidae) from the Ogasawara Islands, Japan. ''Venus'' 66(1-2), pp. 1-10.〕 はスガイとカンギクはそれぞれが独立種であると結論した。しかしカンギクの殻の突起は環境によっても変化することが知られており〔Kurihara T., Shikatani M., Nakayama K., Nishida M. (2006) Proximate mechanisms causing morphological variation in a turban snail among different shores. ''Zoological Science'' 23: pp. 999-1008. , 〕、ときにはカンギクとスガイとの中間的な外見をもつ個体もあるため、殻の外見での区別が容易でない場合もある。緑藻シオグサ属の一種、カイゴロモ はスガイの殻上のみに生育し、ビロード状に殻表を覆う群落を形成することが知られるが、本種の殻上にのみ生育する理由は不明である。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スガイ」の詳細全文を読む
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