|
スセリビメは、日本神話に登場する女神。スサノオの娘で、大国主の正妻。『古事記』では須勢理毘売命・須世理毘売命、『先代旧事本紀』では須世理姫と表記する。また『出雲国風土記』では須佐能袁命の娘で大穴持命の妻の和加須世理比売命(わかすせりひめ)が登場し、同一の神と考えられる。 ==神話での記述== 『古事記』では以下のように描かれている。''詳細は大国主の神話を参照。'' 父の須佐乃男命とともに根の国に住んでいたが、葦原中国から八十神たちの追跡を逃れるために根の国を訪れた大穴牟遅命(=大国主)と出会い、一目見てすぐに結婚した。須勢理毘売命が家に帰って大穴牟遅命を父に紹介したところ、父は大穴牟遅命を蛇のいる部屋や蜂とムカデのいる部屋に寝させた。須勢理毘売命は呪具である「比礼〔「ひれ」と訓ずる。女性が肩や腕に掛ける細長い布。これを振ることにより呪術的な力を発揮するものとされていた(『日本神話事典』268〜269頁)。〕」を大穴牟遅命に与えてこれを救った。また、須佐乃男命が頭の虱を取るよう命じ、実際にはムカデがいたのだが、須勢理毘売命は木の実と赤土を大穴牟遅命に与え、ムカデを噛み潰しているように見せかけるよう仕向けた。須佐乃男命は安心して眠ってしまい、その間に大穴牟遅命が須佐乃男命の髪を部屋の柱に縛りつけ、生大刀と生弓矢と天詔琴を持って須勢理毘売命を背負って逃げ出した。須佐乃男命は追いつけず、大穴牟遅命に大国主神の名を与え、須勢理毘売命を本妻とするよう告げた。 大国主は後から結婚した八上比売との間に、須勢理毘売命より先に子を得ていたが、八上比売は本妻の須勢理毘売命を畏れて子を置いて実家に帰ってしまった。 また、八千矛神(=大国主)が高志国の沼河比売のもとに妻問いに行ったことに対し須勢理毘売命は激しく嫉妬〔「うはなりねたみ」と訓ずる。この嫉妬によって正妻が夫との絆を強めることとなるとされる。また正妻の嫉妬を受けることで王者の資質を証明することになるという折口信夫の説もある(『日本神話事典』164〜165頁)。〕した。困惑した八千矛神は大和国に逃れようとするが、それを留める歌を贈り、二神は仲睦まじく出雲大社に鎮座することとなった。 『出雲国風土記』では神門郡滑狭郷条で大穴持命が和加須世理比売命に妻問いをする様子のみが描かれている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スセリビメ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|