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streptomycin
ストレプトマイシン (streptomycin) は抗生物質のひとつである。化学式はC21H39O12N7である。最初に発見されたアミノグリコシド類であり、結核の治療に用いられた最初の抗生物質である。略して「ストマイ」ともいう〔『広辞苑』第6版〕。放線菌の一種''Streptomyces griseus''に由来する。 ストレプトマイシンはタンパク質合成を阻害することによりバクテリアの成長や代謝を停止させる。具体的には、バクテリアのリボソーム上の23S rRNAに結合し、代謝を担うあらゆるタンパク質の合成、つまりリボソーム上でのポリペプチド鎖の合成の開始を阻害する。 真正細菌(バクテリア)型リボソームのみに選択的で、真核生物および古細菌型リボソームは阻害を受けない。人も真核生物に属すため損傷は少なく、バクテリアのみに効果を与えることができる。ただし、ミトコンドリアのリボソームが阻害を受けるため投与量によっては副作用が出る。なお、ストレプトマイシンは消化管からの吸収がよくないため経口では投与できず、筋肉注射を行わなければならない。 現在では、硫酸塩および誘導体のジヒドロストレプトマイシンが農薬の一種である殺菌剤として発売されている。 ==歴史== 1943年10月19日、ラトガース大学のセルマン・ワクスマンの研究室の卒業研究生、アルバート・シャッツ (Albert Schatz) によって最初に単離された。ワクスマンらはアクチノマイシン、クラバシン (clavacin)、ストレプトスリシン (streptothricin)、ストレプトマイシン、ネオマイシン、フラジシン (fradicin)、カンジシジン (candicidin)、カンジジン (candidin) など数々の抗生物質を発見している。これらのうちストレプトマイシンとネオマイシンの2つは、多くの伝染病の治療に広く適用されている。ワクスマンは抗生物質の英語 antibiotics の考案者としても知られる。 ストレプトマイシン発見者としての詳細と名声がシャッツによって主張され、これは訴訟にまで発展した。シャッツはストレプトマイシンの発見者ではあるが、ワクスマンの指導のもとストレプトマイシンの研究を行うよう命じられていた卒業研究生にすぎず、ワクスマンの研究室の技術、装置、設備を使っていたことが論争の原因である。シャッツを1952年のノーベル賞受賞者に含めるべきという主張もあった。しかし委員会は、受賞理由はストレプトマイシン発見の功績だけでなく、発見につながった方法論や技術、および他の多くの抗生物質の発見を含めたものであるとして、この主張を退けた。 この訴訟は、ワクスマンとシャッツがストレプトマイシンの共同発見者であるとみなすという公式判定が下り、和解により終息した。シャッツは1994年、74歳のときにラトガース賞を受けた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ストレプトマイシン」の詳細全文を読む
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