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9K32 ストレラ-2(9K32 ストレラ-2;ヂェーヴャチ・カー・トリーッツァヂ・ドヴァー・ストリラー・ドヴァー;Strela-2)は、ソ連で開発された携帯式防空ミサイルシステム(MANPADS)。小型の発射装置と赤外線誘導ミサイルの組み合わせにより、歩兵が携行、発射できる。ミサイル弾体は9M32(ヂェーヴャチ・エーム・トリーッツァヂ・ドヴァー)と呼ばれる。北大西洋条約機構(NATO)によって用いられたNATOコードネームはグレイル(Grail)、DoD番号はSA-7。なお、「ストレラ」はロシア語で「矢」のこと。 == 概要 == 9K32 ストレラ-2は、車載式の9K31 ストレラと並行して1959年頃から開発され、1968年前後に量産および配備が開始された。筒状のコンテナにミサイルが入っており、その下に小型の発射装置と引き金、ミサイル電源用の小型熱電池が取り付けられている。 ミサイルの射程は550-5,500m程度、高度18-4,500m程度の目標に対応する。誘導方式はパッシブ赤外線ホーミング方式であり、ミサイル先端に取り付けられた赤外線シーカーが目標となる航空機の熱を感知して追跡する。ただし、本機の赤外線シーカーは冷却措置をもたない硫化鉛(PbS)焦電素子を用いたものであり、検知波長の関係上、必ずしも目標を適切に捕捉できない場合があり、特に初期型は性能が劣るとされている。 目標に直撃した場合、炸薬(HE)1.15kgが爆発し、これにより目標を破壊する。また、目標を逃した場合は、15秒程度で自爆する仕組みになっている。発射装置は別のミサイル容器に取りつけることにより、再使用できる。 9K32 ストレラ-2は輸出が積極的に行われ、実戦でも多数が用いられている。中東戦争の際はアラブ諸国に供給され、ベトナム戦争では北ベトナム軍(ベトナム人民軍)に供給されて南ベトナム軍やアメリカ軍のヘリコプターを相当数撃墜している。アフガニスタン紛争 (1978年-1989年)において、ムジャーヒディーン側が中国やエジプトのストレラ-2のコピー品を使用していた。これらはCIAやサウジアラビアの支援団体などが供給したものであり、皮肉にも自国が開発した兵器の複製品が自分たちの航空機を狙ったのである。近年では、湾岸戦争やイラク戦争でも存在が確認されている。2012年には、ヒズボラがSA-7を用いて、イスラエルのヘリコプターを攻撃したとの報道もなされた。 基本型のストレラ-2は射程が短く、炸薬の量が少ない点、フレアに対して脆弱である点などが欠点だが、海外製の派生型はこれらを改良しているとされる。生産数も多く、現在では世界中に拡散しており、非正規軍や、テロリストの手にも渡っているものと見られる。特に、2010年のアラブの春に端を発する中東各国の政権崩壊の混乱により、軍が保有している武器がテロリストに流出しており、9K32も例外ではない。 後継型は9K34 ストレラ-3。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「9K32」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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