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この項では、スペインで生産されるワインについて述べる。 == 特徴 == 南ヨーロッパのイベリア半島にあるスペインはブドウ栽培に適した土壌に恵まれている。地域によって気候は異なるが、主に東部と南部が地中海性気候、中央部が大陸性気候、北西部と北部が西岸海洋性気候である。スペイン固有のブドウ品種は豊富であり、スペイン全土で400種以上のブドウ品種が栽培されているが、ワイン生産量の80%はわずか20種から生産される。この中には黒ブドウのテンプラニーリョ種やガルナッチャ種、白ブドウのアルバリーニョ種やアイレン種、スパークリングワインのカバの主原料であるマカベオ種、酒精強化ワインのシェリーの主原料であるパロミノ種などがある。 現代までのスペインは赤ワインの国とされていた。現在でもスペイン産ワインは赤ワインが中心であるが、比較的涼しい気候での白ワイン、カバなどのスパークリングワイン、シェリーなどの酒精強化ワイン、サングリアなどの強化ワインと、様々なタイプのワインが製造されている。20世紀末時点の生産比率は、赤ワインが35%、白ワインが31%、ロゼワインが15%であり、残りは酒精強化ワインや工業用蒸留用ワインなどである。 フランコ体制による経済発展の遅れも影響し、スペインのワインは1970年代頃まであまり注目されてこなかったが、近年ではいくつもの産地が銘醸地として知られるようになった。スペインはヨーロッパの旧ワイン生産国の中で、現代における品質の向上がもっとも著しいとされる。現代になって実験的かつ情熱的なワイン醸造を行っていることで、イタリアワインと比較されることがある。主要な輸出先はドイツ、イギリス、フランス、アメリカ合衆国、オランダなどである。 著名なワイン生産地域としては、テンプラニーリョ種から生産する赤ワインが有名なリオハ (DOCa)やリベラ・デル・ドゥエロ (DO)、安価で質の高いワインを生産する、シェリーの拠点であるヘレス、アルバリーニョ種による白ワインで知られるリアス・バイシャス (DO)、スパークリングワインのカバ、リオハとともにDOCaに認定されているプリオラート (DOQ)などがある。 国際ブドウ・ブドウ酒機構(OIV)が発表した2010年の統計によると、スペインのブドウ栽培面積は108.2万ヘクタールであり、フランスの81.8万ヘクタール、イタリアの79.5万ヘクタールを上回って世界第1位である。2009年時点で生食用を含む全世界のブドウ栽培面積は774万ヘクタールであり、スペインのみで世界全体の約15%を占めているほか、スペインは欧州連合(EU)全体の約30%を占めている。OIVによる2010年の統計によると、スペインのワイン生産量は35億3,530万リットルであり、イタリアの48億5,250万リットル、フランスの44億4,700万リットルに次いで世界第3位である。この3か国を合わせたワイン生産量は全世界のワイン生産量の49%を占めている。降水量の乏しさゆえに長期にわたって灌漑が制限されていたこと、樹齢の高いブドウの樹が多いこと、他の作物と一緒に植えられる場合が多いことなどが、ブドウの栽培面積と比較してワインの生産量が少ない理由に挙げられる。 生食用を含む2008年のブドウ収穫量は、イタリア、中国、アメリカ合衆国に次いで世界第4位である。OIVによる2010年の統計によると、スペインの1人あたり年間ワイン消費量は23.6リットルであり、世界第15位である。スペインのワイン総生産額は約12億ユーロであり、ワインがスペインの農業総生産額に占める割合は2.8%である。5.6%のオリーブ・オイルを下回っているが、2.4%の小麦を上回っている。スペインはEU全体のワイン総生産額の7.8%を占めているが、付加価値額の高いワインは少ない。 イベリア半島はコルクガシの樹皮を使用するコルクの主産地である。スペインは世界全体の約30%を生産しており、約50%を生産するポルトガルに次いで世界第2位を占めている。特にカタルーニャ州とアンダルシア州で生産量が多く、カタルーニャ州パラフルゲイにはコルク博物館が存在する。スペインで使用されるフレンチ・オーク樽の多くは国産であり、主にラ・リオハ州都ログローニョ周辺で製造されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スペインワイン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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