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スーパーヘテロダイン受信機(〔「」は「」に由来し、英語では「」と略記されることもある。〕)は、ヘテロダインにより、受信した電波を一旦中間周波数の信号に変換する方式(スーパーヘテロダイン方式)を使った受信機のこと。スーパーヘテロダイン方式は、ラジオやテレビの受信機で性能の高い方法として使われる。 == 歴史 == スーパーヘテロダインの原理は第一次世界大戦中の1918年、エドウィン・アームストロングが無線方位測定 (RDF) 機器での高周波増幅用三極管の供給不足に対処する手段として考案した。三極管高周波増幅では、同じ周波数に同調した共振回路にプレートもグリッドも接続される場合、グリッドとプレート間の容量結合によって増幅回路が発振してしまう可能性がある。このため、初期の設計では低利得の三極管増幅回路をカスケード接続する必要があり、多大な電力を消費した。しかし、それだけの価値があるとされていた。 アームストロングは、より高い周波数の機器の方が敵の船団をより効率的に発見できることに気づいたが、当時は「短波」〔当時は500kHz以上を全て「」と称していた。〕の実用的な増幅器は存在しなかった。 アームストロングは、再生式受信機が発振してしまったとき(アームストロングは再生式の考案者でもある)、その傍にある他の受信機が突然、送信されたのとは違う周波数で放送を受信するという現象に遭遇した。アームストロングらは、その現象が放送局の搬送周波数と発振周波数の間で「スーパーソニック・ヘテロダイン」(うなりのこと。ただし、通常の(「うなり」の項目で説明している)振幅の和によるものではなく、ヘテロダインの項目で説明しているように混合器による、変位の積によるものである)が発生しているためだと理解した。例えば、放送局が300kHzで送信していて、発振回路が400kHzで発振している場合、その局の放送は300kHzで受信できるだけでなく、100kHz と 700kHz でも受信できる。2つの周波数を混合すると、新たに2つの周波数が生じ、一方は元の周波数の和となり、もう一方はそれらの差になる。この現象をヘテロダインという。 このような洞察から、アームストロングは短波増幅問題の解決策を見出した。例えば、1500kHzの周波数を受信したい場合、発振回路(局部発振器 。略して局発と言う)を1560kHzの周波数で発振するように設定する。すると、信号の周波数は60kHzにまで下がり、高周波増幅性能が低い三極管でも容易に増幅可能となる。 最初のスーパーヘテロダイン回路は、中間周波数 (IF) のフィルタに鉄芯のトランスの自己共振を利用していた(通常は、可変コイルを使う)。初期のスーパーヘテロダイン回路では IF は 20kHz と低かった。そのため#イメージ周波数の信号による干渉が発生しやすいが、当時は周波数選択性よりも感度が重視されていた。 アームストロングは素早く回路を実装でき、その技法は軍により迅速に採用された。しかし1920年代にラジオ放送が始まったころにはまだあまり普及していなかった。これは、発振回路に余分な真空管を必要とすることと、調整に技量を要することが足かせとなったためである。市販のラジオ受信機には、単純さと低価格で優れたニュートロダインという高周波増幅方式が一般に使われた。 1930年代になると、真空管の進歩によってそれらの利点が無効となってきた。まずカソードの間接加熱が実用化され、混合回路と発振回路を1つの五極管で実装可能となった。これを「オートダイン・ミキサー」という。さらにスーパーヘテロダイン用の機能複合型真空管が低価格で製造されるようになり、高周波同調受信機は1930年代中ごろには廃れていった。トランジスタラジオでは簡単に1石で混合と発振をまかなうことができる(オートダイン・コンバーターという。を参照)。現在では、ラジオ受信機やテレビ受信機はほぼ全てスーパーヘテロダイン方式を採用している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スーパーヘテロダイン受信機」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Superheterodyne receiver 」があります。 スポンサード リンク
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