|
社会性(しゃかいせい、英:socialityまたは英:sociability、仏:sociabilité)とは集団をつくって生活しようとする人間の持つ基本的な傾向。本能的なものと考える説がある。 ==概念== 対人関係における主として情緒、性格などのパーソナリティの性質であり、人間が社会化される過程と通して獲得される。人間関係を形成し、円滑に維持するための社会生活を送る上で欠かせない特質である。 社会的コンピテンス、社会的スキルなどの言葉が社会的に類似した意義でよく用いられるが、それぞれ研究者によって定義づけが微妙に異なり、明確な定義付けがない。 社会性とはかなり曖昧な概念だが、児童心理学では精神の発達を知的発達以外は社会的情緒的発達と一括することが多い。精神は環境の刺激により発達することから、社会性の発達を大部分の精神発達に関連付けることができる。例えば、精神薄弱児の知的能力の遅れの一因に社会的不適応を想定して、特殊教育においてこの不適応を除去する事を図る。また、社会的適応性は性格の一面でもあり、情緒障害児には社会的不適応が伴うし、自閉症や分裂症では著しく異常な社会性が見られる。〔牛島 1979〕 発達心理学では社会性の具体的な中身(成長の各段階に対応した発達課題)として *対人行動 - 他者に対して適切な対応ができること *集団行動 - 集団の中で協調的に行動できること *社会的欲求 - 仲間から好意を受けたいという欲求を持つことや仲間として認められたいという欲求を持つこと *社会的関心 - 時代の情勢、風潮に感心を寄せること などが考えられ、〔渡辺 1999〕、社会性の発達についての心理学的判断基準の一応の目安としている。〔柴野 1986〕 社会性が獲得されるメカニズムの説明は模倣、同一視、観察学習、愛着など様々な視点から試みられている。 重松俊明は個人のパーソナリティ発達には分化と統合の両面があり、社会化は分化に、個別化は統合に対応しているとし、個別化が求心的統合的なパーソナリティ発達の過程であるのに対して、社会化は社会的分化と相互作用の遠心的な拡大に見合ったパーソナリティ発達の過程であると定義し、その結果として社会性が形成されると考えた。 社交性と同一視されることが多いが、社会性に英語のsociality、社交性にsociabilityを当てて別個の概念とすることもある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「社会性」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|