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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
ソン・ハローチョ(Son Jarocho)は、 メキシコ南部でメキシコ湾沿岸部にあるベラクルス州の伝統民族音楽。 ベラクルス州の地理的位置および歴史的経緯から、 メキシコ先住民由来の音楽的影響、アフリカ由来の音楽的影響、スペイン由来の音楽的影響を内包する音楽である〔〔。 == 起源と歴史的経緯 == ''Jarocho(ハローチョ)'' というのは、メキシコの港町ベラクルス地域の音楽スタイルや音楽、またはその音楽をする人達、のこと。 また「son」(ソン)は「sound , rumor」<音、噂>等の意味であり、 ソン・ハローチョの文字通りの意味は「ハローチョの音・音楽」ということ、 即ち、ベラクルスの人達が奏でる音楽、 ベラクルス地域を発祥とする伝統民族音楽またはフォーク音楽の一種、ということである。 そのソン・ハローチョの起源には複数の要素が含まれる。 * アフリカから連れて来られた黒人奴隷や奴隷ではない黒人のフリーマン達、の影響でアフリカのリズムにルーツがある、または影響を受けている。 * 使用楽器もアフリカルーツのモノが色々とある。 * スペインの植民地だった歴史的経緯から、放浪民族ロマ(Gitano/ヒタノ)の音楽の影響(つまりはフラメンコの影響)もある。 というベラクルス地域に、外から流入してきた要素が、 元々、ベラクルス地域に住んでいた先住民の音楽と交わり、複数の音楽文化が融合する形で、 ソン・ハローチョという音楽が形成されていった〔〔。 元々、 ソン・ハローチョの音楽やダンスは、 観客を楽しませるエンターテインメントなモノでも、文化的な表現ですらもなく、 18世紀頃の、 離れた農村集落間でのコミュニケーションを取る為の意志疎通手段的なモノだった。 また、当時の植民地の支配体制下では、 教会側が、 自分達の教会文化や価値観を強制して自分達の色に染める為に、 現地住民達の文化を矯正して消し去ろうと試み、 それに対する住民側の抵抗運動として、 「皆立ち上がれ!」 的な呼びかけの為に、つまりは、 支配体制側への抗議の為にソン・ハローチョの歌が使われたりもした。 更には、 支配体制側から、歌の内容が猥褻〔とか不愉快だと見なされていた、 というような理由もあり、 当時の植民地の支配体制下で、 支配側(国家体制側・及びカトリック教会)から、 ソン・ハローチョは弾圧・禁止されていた、 という歴史的経緯がある〔。 20世紀に入り、 メキシコ革命の戦火を逃れアメリカ合衆国(以降アメリカと表記)へ移住する移民が増えて以降、 アメリカにメキシコ系アメリカ人が少しずつ増えていく中、 1940年代や1950年代になり、 当時、まだまだ数は少ないがメキシコ系アメリカ人コミュニティも、 アメリカで根付いてきて、という時期に、 アメリカ国内で、ソン・ハローチョのヒット曲が生まれ始めた。 当時はまだ、 「メキシコ系アメリカ人」=「貧しい二流市民で農作業等の雇われ単純労働者」 というレッテルや固定観念があった時代。 そんな時代に、 ソン・ハローチョの音楽が映画やラジオ等で流れてヒットすることは、 そういうメキシコからの移民の人々にとっては、 自分達のルーツの音楽がラジオや映画で流されているのを聴くことで、 このアメリカ社会で頑張ろう! 的な力や勇気の源、 つまり社会的地位向上やよりよい生活を目指す為の原動力的なモノ、 になったのではないか、という見方もある〔。 また、20世紀後半1970年代に、ラティーノ系労働者の労働組合運動が活発だった時期にも、 ソン・ハローチョの音楽が団結心を高める役割を果たした例もある〔〔1976年、ロス・ロボスはデビュー・アルバムでもあるチャリティー・アルバム「Si Se Puede!(スィ・セ・プエテ!/Yes, We Can!)」(収録曲にソン・ハローチョの楽曲「El Tilingo Lingo」を含む)を発表。その収益は、アメリカ合衆国の農場労働者の労働組合United Farm Workersに贈られた〕。 21世紀になり、メキシコ系移民やその子孫が多くいるアメリカでも急速に普及し、 ベラクルスのバンドがアメリカにソン・ハローチョを教えに来たり、 アメリカのミュージシャン他が本場のベラクルスにソン・ハローチョを学びに行ったりと、 アメリカの音楽文化とソン・ハローチョの文化が相互作用的に融合し、 ソン・ハローチョの伝統を継承しつつ新しく進化発展を遂げる動きがより活発になると同時に、 メキシコ国内でも、再びソン・ハローチョに注目が集まっている〔〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ソン・ハローチョ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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