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ソーラーグレードシリコン(solar-grade silicon, SOG-Si, 太陽電池級シリコン)とは、太陽電池に適した純度を有する精製シリコンを指す。半導体の集積回路などに用いられる半導体級(semiconductor grade silicon, SEG-Si, 電子級)シリコンと比較して要求される純度が桁違いに緩く、比較的低コストで製造が可能なほか、製造に際してのエネルギー消費量や環境負荷、工場建設のリードタイムも大幅に低減できるとされる。製法は冶金法、流動床法など多岐にわたる。近年の太陽光発電市場の拡大を受けて、生産量が増えつつある。 == 概要 == 太陽電池に用いられる結晶シリコンは従来、半導体級シリコン(純度99.999999999%(11N)以上)の製造工程で生じたスクラップが再利用されていた。太陽電池に用いる結晶シリコンの純度は6N(99.9999%)~7N(99.99999%)程度で済む〔Production of Solar Grade (SoG) Silicon by Refining Liquid Metallurgical Grade (MG) Silicon, NREL, SR-520-30716 〕〔Carissa Smith, Bulk Semiconductor Synthesis and Purification 〕ため、半導体級としては規格外になったものが太陽電池に利用されてきた。しかし近年の太陽光発電市場の拡大によってスクラップ材だけではシリコン原料が不足するようになり、また製造コスト低減の必要性も踏まえ、太陽電池専用のシリコン原料が製造されるようになった〔結晶シリコン太陽電池の動向、Michael Adeogun, Technology Analyst, SRI Consulting Business Intelligence 〕。この太陽電池用として十分な純度を有するシリコンをソーラーグレードシリコン(SOG-Si)と呼ぶ〔日本セラミックス協会、太陽電池材料、日刊工業新聞社、2006年、ISBN 4-526-05581-6〕〔シリコンの種別と略称 (産業技術総合研究所)〕。 高純度シリコンを得るには、原料となる珪石(シリカ、SiO2)を還元し、不純物を取り除く必要がある。半導体級では純度90%台の金属級シリコン(metallurgical-grade silicon, metal-grade silicon, MG-Si)をまず製造し、これを一度シランなどのガス状にしてから、シーメンス法によって析出させ、さらにチョクラルスキー法による引き上げなどを経て11N程度の超高純度の単結晶を製造している。 これに対してソーラーグレードシリコンは、半導体級に比較して下記のような利点を持つとされる。 *製造に必要なエネルギーが少ない。多くはシーメンス法に比較して数分の一と言われる(#製造方法の節を参照) *製造コストが低い(同) *工場の工期が短い。シーメンス法では建設に数年かかるところが、たとえば1年未満で済む〔太陽電池向け多結晶Si原料を冶金法で製造──JFEスチールが実機プラントの建設を開始、Tech-On!、2006年7月26日 〕。 ソーラーグレードシリコンの製造法は多様である。2007年の時点では、半導体級のプロセスを簡略化した方法が多い。しかし近年は消費エネルギーが比較的大きいシーメンス法を用いない精製法の生産量も増えつつある〔greentechmedia社による生産量動向調査結果 (注:シーメンス法以外の方法を用いる企業による生産量もCurrent Producersに含まれている)〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ソーラーグレードシリコン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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