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ゾナー(''Sonnar'' )は、ツァイス・イコンのルートヴィッヒ・ベルテレがエルノスターを改良して1929年に発明したカール・ツァイスのレンズである。名称の由来はツァイスの工場が郊外にあった都市ゾントホーフェン(''Sonthofen'' )から来るという説と太陽を意味するドイツ語(ゾンネ、''Sonne'' )から来るという説〔日沖宗弘『プロ並みに撮る写真術II』p.198。〕の2つの説が知られる。なお、現在カール・ツァイスではベルテレがゾナーの前に設計したエルノスター型レンズにもゾナーの名称をつけている。 張り合わせによる、枚数の割に群数の少ない構成は、レンズコーティング以前の時代には反射率の高い空気-ガラス面が少ないことから4群6枚のダブルガウス型より好まれ、また大口径化も進んだ。しかし後群のレンズが後方に伸びていることはミラーに干渉するため一眼レフカメラには不利で、コーティング技術も発達したことから、後の時代の主流は他の形式に譲られることになった。 == 解説 == コーティング技術が実用的でなかった戦前においては3群構成で空気境界面が少ないことと、当時のダブルガウス型では泣き所であったコマ収差を抑えることに成功したことで、プラナーに比べ格段に高コントラストな画像を得ることを可能にした。当初はF2.0の、1932年には3群7枚F1.5のコンタックス用5cmレンズが作られた。しかし性能は高いが、大きなガラス塊が必要で重く、3枚張り合わせのために製造効率も悪く、非常に高価であった。 戦後は一眼レフカメラに主流が移っていったわけだが、レンズの後方にミラーを置くスペースが必要となる一眼レフカメラでは、後群が干渉するゾナーは不利であった。コーティング技術の発達などもあり一眼レフカメラ用交換レンズでは、ゾナー型は望遠レンズなど一部に採用されるにとどまっている。一方でミラーの制限がないコンパクトカメラ等には、小型にまとまる利点を生かしたゾナー風構成の採用例がいくつもあり、さらに時代が移ったデジタルカメラでも一眼レフカメラ以外に採用例がある。 非対称型構成のため、糸巻き型の歪曲収差が発生しやすい。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ゾナー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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