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タコの山(たこのやま)とは、タコを模した形状のコンクリート製(人造石研ぎ出し仕上げ)のすべり台である。「タコ山」「タコ滑り台」「タコスライダー」などの別称もある。 ==歴史== 前田屋外美術株式会社(倒産し、旧経営陣により現在は前田環境美術株式会社に社名変更し営業)が開発、1960年代後半から日本全国の公園に設置した遊具で、その形状が成立した経緯については複数の証言がある。 当時同社のデザイナーであった人物の回想によれば、もともとこの遊具は「石の山」という名称で、曲線の組み合わせで何の形とも判然としない形状の滑り台であったという。彫刻科出身の若いデザイナーが児童の想像力をかき立てようと、あえて不可解な形状にデザインした結果であったが、売り込み先の一つであった足立区役所の幹部には理解されず、何の形かわからないから頭を付けてタコの形にするように言われてしまう。しかしこうして出来た「タコの山」第一号が区内の新西新井公園(1965年建設)に設置されると人気を得、ほかの公園にも次々に設置されるようになっていったのだとされる〔金杉康政「東京の記憶 タコ滑り台 頭付けたら引っ張りだこ 抽象芸術変えた思わぬ一言」『読売新聞』2008年(平成20年)4月7日付東京朝刊27面。〕〔小林健「子供遺産 タコのすべり台」『日経マガジン』2009年5月17日、22-23ページ。〕。 一方、品川区の公園整備担当職員であった人物の証言では、区内の神明児童遊園に設置する遊具として、前田屋外美術が曲がりくねった滑り台を複数組み合わせた形状の遊具を提案したが、この職員は気に入らず、同社のカタログに掲載されていた別の遊具がタコ形であるのを見て、原案に頭をつけてタコの形の滑り台にすることを思いついたのだという。この結果、1968年に神明児童遊園に2基設置された「タコの山」が第一号ともされる〔『東京新聞』2007年9月8日付夕刊11面。〕。 設置後は子どもたちの人気遊具となり、設置されている公園は、公園管理者等の定めた正式名とは別に「タコ山公園」「タコ公園」「タコチュー公園」などと呼ばれ親しまれた。前田環境美術は1970年ごろから全国に「タコの山」を約400基作ったが〔「タコチュー」さよなら 老朽化、33年の役目終える 2015年04月03日 八重山毎日新聞 〕、メーカーに記録が無く正確な数は把握されていない。 最初期に設置された中には撤去されたものもあり、神明児童遊園の「タコの山」は道路整備に伴い、2007年7月に撤去された。小さいほうは新設の公園に移設、大きいほうは廃棄、新設の公園には同形のものが新たに制作された。一方で新たに設置されるものもあり、2010年には北九州市の和布刈公園に国内でも最大級の6m×20mの滑り台が設置された〔「北九州市に『タコ山』公園11カ所-「国内最大級4,000万円」のタコも」2014年11月28日 小倉経済新聞 〕。2011年はデンマークの首都・コペンハーゲン市に整備されている大規模公園内に同社のタコの滑り台が設置された〔〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「タコの山」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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