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タミュリス()、あるいはタミュラース()は、ギリシア神話の人物で、トラーキアの有名な音楽家、吟遊詩人である。美男で、リラ(竪琴)の名手。 ピラムモーン(アポローンの子)とニュムペーのアルギオペーの子とされるが、ムーサイのメルポメネー、あるいはエラトーの子供ともいわれる。一説にタミュリスの娘メニッペーはオルペウスの母という。また 神話によるとタミュリスはリノスから音楽を学んだが、ムーサイに対する不敬によって音楽の全ての技を失ったとされる。 タミュリスはオイカリアの王エウリュトスの王宮を辞して旅をしていたが、メッセーネーのドーリオンでムーサイに出会い、ムーサイたちに歌で勝利して見せようと宣言したため、怒ったムーサイたちは彼を盲目にし、声を奪い、さらにリラの技を忘れさせた(『イーリアス』2・592~601)。 後代の伝承ではタミュリスはムーサイ全員を自分のものとするため(アポロドーロス)、あるいはムーサイの1人と結婚するため(イーリアス古註)、歌比べの勝負を挑んだが敗北したという。全てを失ったタミュリスはリラをドーリオン近くの川に投げ捨てたので、その川はバリュラ川と呼ばれたという(パウサニアス)。 なお、ソポクレースはこの物語を題材に悲劇『タミュラース』を作った。 == 参考文献 == *ホメロス『イリアス(上)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年) *アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年) *パウサニアス『ギリシア案内記(下)』馬場恵二訳、岩波文庫(1992年) *ロバート・グレーヴス『ギリシア神話(上・下)』高杉一郎訳、紀伊国屋書店(1962年、1973年) *高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年) *ワルター・フリードリヒ・オットー『ミューズ ―舞踏と神話』西澤龍生訳、論創社(1998年) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「タミュリス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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