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ダイナー()は、北アメリカに特有のプレハブ式レストランである。特にロングアイランド、ニューヨーク、ニュージャージー州、およびアメリカ東海岸北東部に多いが、アメリカおよびカナダ全土で見られる。プレハブ式ではない一般的な建物であっても、伝統的なダイナーの料理に類似する料理を供するレストランがダイナーと呼ばれることもある。ダイナーの主な特徴は、アメリカ料理を中心とした幅広いメニュー、気取らない雰囲気、カウンターのある店内、深夜営業である。 == 歴史 == ダイナーの起源は移動屋台である。世界初のダイナーは、1872年にロードアイランド州プロビデンスにて、プロビデンス・ジャーナル新聞社の社員向けに暖かい食事を販売した馬引きのワゴンであるといわれている。ワゴンの所有者ウォルター・スコットは以前から、ジャーナルで働いていた親しい印刷工たちに、家で準備したサンドイッチとコーヒーをカゴで売り歩き、収入の足しとしていた。1887年、マサチューセッツ州ウースターでトーマス・バックリーが移動屋台専用車のランチワゴンの生産を開始した。バックリーの商売は成功し、彼は「ホワイト・ハウス・カフェ」ワゴンで知られるようになった。ダイナーで最初の特許(1891年)を得た人物がチャールズ・パーマーである。彼は1901年までに「ファンシー・ナイト・カフェ」と「ナイト・ランチ・ワゴン」をウースター周辺に出店した。フィリップ・デュプリーとアーヴィン・ストッダードは、1906年にウースター・ランチカー社を設立し、「ダイナー」形式の店をアメリカ東海岸一帯に展開した。19世紀後半にはアメリカ東海岸北部で座席付きのランチワゴンが現れ、高価な不動産を購入することなく、オフィス街で営業した。1925年までは、「ランチワゴン」という名称に比べると「ダイナー」という名称は広く使用されていなかったようである。ウースター周辺には現在も多くのダイナーがある。 ニュージャージー州ベイヨンのジェリー・オマホニーが最初の「ダイナー」を作ったという説がある〔p.16 Westergaard, Barbara ''A Guide to New Jersey'' Rutgers University Press〕。同州エリザベスのジェリー・オマホニー・ダイナー社は、1917年から1941年に二千店のダイナーを製造し、そのうち現在も営業を続けている店舗が国内外に20軒残っている〔Event Photo's 〕。席数の増加に伴い、ワゴンを製造していた業者の多くがプレハブ建築式ダイナーを製造するようになった。ランチワゴン同様に、プレハブ店舗に組み立て済み建築材と設備を使用することにより、ダイナーの経営者は飲食店業をすぐに開始できた。 世界恐慌まで、ほとんどのダイナー業者と顧客は合衆国北東部にあった。ダイナー業も他の産業同様恐慌の影響を受けたが、どんなときでも人は食事をするものであり、高級なレストランよりも安価な料理を提供するダイナーは営業を始めるのにかかる費用も安いため、被害は他業種ほど深刻ではなかった。第二次世界大戦後、経済が民需に戻り郊外が発展するとともに、ダイナーは魅力的な小規模ビジネスの起業対象となった。この期間に、ダイナーは都市部や小さな町といった本来の商業圏から郊外の高速道路沿いの土地へと広がり、ヴァレンタイン・ダイナーズのような製造業者と共に、中西部にさえ達した。 1970年代に、多くの地域でファストフード店がダイナーを駆逐したが、ニュージャージー州、ニューヨーク州、ニューイングランド、デラウェア州およびペンシルベニア州の一部では、個人営業のダイナーが今なお割合普通に見られる。この時期に新たに建ったダイナーは、これまで主流だったステンレス製の細長い流線型の形状(後述)を捨て、大きな建物となったが、古くからのダイナー製造業者によるプレハブ式のユニットを組み立てて建てられている。これらの新しいダイナーには、個人住宅に多く用いられるケープコッド様式やコロニアル様式をはじめ、多種多様な建築様式が採用されている。旧式の単一ユニットのダイナーは長いカウンターと小さなボックス席を持っていたが、現在ではより広い食事席、豪華な壁紙、ファウンテン、クリスタルガラスのシャンデリア、ギリシャ式彫刻が追加されるようになった。古いプレハブ式のダイナーが普通の工法で増築され、元の構造がわからなくなるほど新しい増築部に覆われたり新しい外装を施されるにつれ、「ダイナー」という言葉の定義が曖昧になった。ダイナーと呼ばれているもののプレハブ式でなく、敷地に普通の建築同様土台から建てられる店舗も現れ始め、これらのより大型の店舗はしばしばダイナーレストランとして知られるようになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ダイナー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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