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ダイバータレス超音速インレット (、略称:DSI) とは、軍用機におけるエアインテークの一形態で、境界層隔壁(ダイバータ)がない形状のものを指す。 == 概要 == 通常、機体表面には周囲の空気とは相対的に少し遅くエネルギーのない空気(境界層空気流)が流れており、これを吸い込むとエンジンの効率が低下する。それを避けるため、通常はエアインテークと機体の間に隙間(境界層隔壁)を設けている。一方、DSI方式は、エアインテークの前のふくらんだ部分で境界層空気流を押しやり、境界層を圧縮して切り裂く仕組みになっている。 また、DSIにおける境界層を圧縮するふくらみは、ファンブレードを隠しエアインテーク内への電波の流入を抑制するため、機体正面からのRCS値を減少させ、ステルス性を高める副効果がある。そのためF-35など一部のステルス機ではステルス性を高める方法の一つとしてDSIを採用している〔DSIは必ずしもステルス機に装備されるものではなく、例えばF-22ではDSIを採用せず、エアインテークの先端にRAM(レーダー波吸収素材)を塗布して対処している。〕。 加えて、DSI方式は複雑で重い可変式や、ショックコーンなどの方式と比較すると可動部分がなく軽量なため、機体の信頼性向上や軽量化にも有利である。例としてF-35では、通常型インテークにくらべて30%の重量軽減を達成している。 DSIの研究は1990年代初頭からロッキード・マーティンによって行われ、1996年12月11日にはF-16 Block 30のエアインテークをDSIに改造したF-16 DSIが試験飛行した。この実験ではDSIでも改造前と同等の特性を維持し、最大マッハ2.0の速度を出せることを示したほか、亜音速域における余剰出力が若干だが向上したことが示され、この成果がF-35に生かされた〔。 DSI方式を初めて実戦配備したのは中国で、パキスタンと共同開発したFC-1の試作4号機にDSI方式を導入し、これが量産型の機体形状となった。中国はこの技術をJ-10BやJ-20/J-31にも応用している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ダイバータレス超音速インレット」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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