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ダジボーグ(Dažbog、Dajbog)とは、スラヴ神話の太陽神〔木村彰一 『イーゴリ遠征物語』p164〕。Bogはスラブ語で神を意味し、Dajの語源については判然としないが、 多くの学者は *dati(「与える」,ロ:дать)に帰するとする。 またアレクサンドル・アファナーシェフの見解によれば、Dajはゴート語のDagsやサンスクリット語のTagに通じ、昼、光などの意味を示唆するという。 ==概要== 『原初年代記』980年の項で、3番目に名前が挙がる。 天空神スヴァローグの子であり、兄弟に火の神スヴァロギッチがいる。東方にある、季節が永遠に夏の肥沃な国に居住しており、日が昇るたびに現れ、口から炎の吐息を吐く馬に牽引された、金剛石で作られた戦車に跨って蒼穹を駆け巡り、夕方には老人の姿になっていると伝えられる。ダジボーグが跨る馬車を牽く馬は、伝承によっては十二頭の白馬であったり、金の馬、銀の馬、ダイヤモンドの馬の三頭の駿馬であったりするなど、差異がある。 いくつかの寓話では、月の女神ミエシャツ(Myesyats)の配偶者として描かれ、二人は春になるたびに結婚するが、秋になると別れ、互いに独りで冬を過ごし、翌年の春が訪れると再会するという。また、二人の夫婦喧嘩が原因で地震が発生すると伝えられる。セルビアの伝説では、ミエシャツは老人の男性として描出されている。ミエシャツとはスラヴの言葉で月を意味し、男性名詞であることから、本来であれば男性としての性格が付与されるものだが、多くのスラヴの伝承は太陽であるダジボーグと月であるミエシャツとの関係に人間の異性同士の解釈を適用し、そのためミエシャツはダジボーグの妻として描かれている。 『イーゴリ軍記』では、ルーシの人々はダジボーグの孫であると伝えられている〔木村彰一 『イーゴリ遠征物語』p40,p52〕事から、民族の神、守護神的役割も持っていたと推測される〔『神の文化史事典』、白水社、2013年、304頁より引用〕。 ウラジーミル1世が立てたキエフの丘の神殿に立つ六体の神像の一体。古くはスヴァローグ 、ペルーンとともにトリグラフを構成していたが、後にスヴェントヴィトやヴォーロスに取って代わられた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ダジボーグ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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