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ダニシェフスキーのタキソール全合成(ダニシェフスキーのタキソールぜんごうせい)は、1996年に米国の有機化学者サミュエル・ダニシェフスキーによって報告された〔Danishefsky, S. J.; Masters, J. J.; Young, W. B.; Link, J. T.; Snyder, L. B.; Magee, T. V.; Jung, D. K.; Isaacs, R. C. A.; Bornmann, W. G.; Alaimo, C. A.; Coburn, C. A.; Di Grandi, M. J. "Total synthesis of baccatin III and taxol." ''J. Am. Chem. Soc.'' 1996, ''118'', 2843–2859. 〕、ホルトン、ニコラウに続く3番目のタキソール全合成である。これらの成果は、有機化学の全合成への応用に佳良な知見を提供するものである。タキソール(パクリタキセル)は抗がん剤であるが入手が比較的困難であること、全合成によりさらに効果のある誘導体を設計できる可能性があることから、研究対象となっている。 ダニシェフスキーの合成経路はニコラウのものと多くの点で類似している。それらはともに二つの前駆体から得たA環とC環を結合させるもので、収束的合成法の好例である。ダニシェフスキー法の特徴は、8員環B環の構築の前に、シクロヘキサノールC環上のオキセタンD環を形成するところにある。基本骨格を作るうえでの最初の出発物質はウィーランド・ミーシャーケトンで、これは単一のエナンチオマーとして市販品が入手可能である。この化合物に含まれる1個の不斉炭素原子から、最終的に得られるタキソール分子全体の不斉点へ導いてゆく。最終段階はニコラウ法と同じく尾部の付加であり、尾島らによって開発された方法〔Ojima, I.; Habus, I.; Zhao, M.; Zucco, M.; Park, Y. H.; Sun, C. M.; Brigaud, T. "New and efficient approaches to the semisynthesis of taxol and its C-13 side chain analogs by means of β-lactam synthon method." ''Tetrahedron'' 1992, ''48'', 6985–7012. 〕を利用する。 原料化合物は上記のウィーランド・ミーシャーケトンのほか、2-メチル-3-ペンタノン、水素化アルミニウムリチウム、四酸化オスミウム、フェニルリチウム、クロロクロム酸ピリジニウム、コーリー・チャイコフスキー試薬、アクリル酸クロリドである。鍵となる段階はコーリー・チャイコフスキー反応とヘック反応である。 ==逆合成解析== 逆合成解析を以下に示す。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ダニシェフスキーのタキソール全合成」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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