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『ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴』〔ルーヴル美術館 〕(ダビデおうのてがみをてにしたバテシバのすいよく、、)は、バロック期のオランダ人画家レンブラントが1654年に描いた絵画。『旧約聖書』『サムエル記』の、イスラエル王ダビデとヒッタイト人ウリヤの妻バテシバとのエピソードを描いた官能的な作品である。『サムエル記』では、水浴中のバテシバを見染めたダビデが強引に関係を持ってバテシバを妊娠させたとなっている〔Bull et al. 151〕。そしてダビデは、人妻を妊娠させたという自身が犯した罪を隠してバテシバと結婚するために、バテシバの夫ウリヤを戦地へと赴かせ、将軍に対してウリヤを敵地に置き去りにして殺させるように命じた。 ダビデが水浴中のバテシバを覗き見るというエピソードは、それまでも多くの画家が作品に描いたモチーフだった。レンブラントはこの作品でバテシバを、大きな筆使いで厚みある色使いで表現することによって、それまでの作品とは異なる、絵画的かつ官能的な作品に仕上げている。 『ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴』は、パリのルーヴル美術館が所蔵している。1869年に美術品収集家の医者ルイ・ラ・カズ (:en:Louis La Caze) が遺贈した583点の美術作品のなかの一つだった〔Bathsheba at Her Bath . Louvre. Retrieved on 2008-05-03.〕。イギリス人美術史家ケネス・クラークはこの作品を「レンブラントが描いた裸婦画の最高傑作」と高く評価している〔Clark, 341〕。バテシバの内面の道徳的葛藤を描き出したとして「西洋絵画の到達点の一つ」ともいわれている〔Bull, 153〕。 == 聖書の記述 == 『サムエル記』 (11:2-4 ) に、イスラエル王ダビデが宮殿の屋上から水浴する一人の女性を見染めたという記述がある。後にダビデがその女性について側近に尋ねたところ、軍人エリアムの娘でヒッタイト人ウリヤの妻バテシバであるという応えがかえってきた。ダビデは伝令にバテシバを連れてくるように命じて強引に関係を持ち、その結果バテシバはダビデの子を妊娠してしまう。ダビデはバテシバと結婚するために、夫ウリヤを戦場に置き去りにして、敵にウリヤを殺させた〔。 『ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴』以前の絵画では、屋外で侍女にかしずかれながら沐浴するバテシバを描いた作品がほとんどだった。遠景には塔があり、その屋上にはダビデと思しき小さな人物像と、ときにはダビデの側近の二人の臣下が描かれていた。レンブラントがこのような構成でバテシバを描いた作品として、1643年の『沐浴するバテシバ』がある〔。しかしながら、『沐浴するバテシバ』より後に描かれた『ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴』では、ダビデやダビデの伝令をはじめ『サムエル記』のエピソードを連想させるものはほとんど描かれてはおらず、『サムエル記』自体には直接の記述がないダビデからの手紙と、足を拭いている侍女だけが、この女性がバテシバであることを物語っている。レンブラントはバテシバを暗喩的、象徴的に描いているのである〔。その結果、『ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴』は『沐浴するバテシバ』と違って、より直接的なエロチシズムを帯び、この作品の鑑賞者がバテシバを覗き見たダビデその人であるかのような印象をもたらしている〔Sluijter, 354-360〕。 『ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴』でバテシバは等身大で描かれており、それまでの作品とは違ってバテシバが画面のほとんどを埋め尽くす構成になっている〔Sluijter, 354〕。この作品が依頼主からの注文によるものなのか、レンブラントが私的な理由で描いたのかは伝わっていない〔。いずれにせよ、レンブラントの弟子ウィレム・ドロステが同じ1654年に描いた『ダビデ王の手紙を持つバテシバ』(ルーヴル美術館所蔵)と、何らかの関係があるといわれている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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