|
ダルマザメ(達磨鮫、学名:''Isistius brasiliensis''、英名:Cookie-cutter shark)はヨロイザメ科に属するサメの一種。体長30-50cm〔 * 〕。深海に生息する、比較的珍しいサメ。普通水深1,000mより深い海に生息する。熱帯、亜熱帯海域の水深80-3,500m間で採集の記録がある。夜になると獲物を求めて比較的浅い水深にまで上がってきて、様々な獲物を狙うようになる〔仲谷一宏著 『サメのおちんちんはふたつ』 2003年8月 築地書館 ISBN4-8067-1270-1 〕。 体色は背側が茶色、腹側は白色を呈する。体形は葉巻型で、いずれの鰭も小さく、背鰭は身体の後方に位置する。臀鰭(しりびれ)は無い。腹面に発光器を持ち、淡緑色の生物発光をする。これはカウンターイルミネーション(Counter illumination)といい、下方から見たときに表層からのわずかな光に溶け込み、自分の影を消すという効果がある。 == 大型生物への攻撃 == イカなどを常食とするが、自分よりはるかに大きい動物をも攻撃し、生きたまま体表の一部の肉を削り取って食べるという特異な生態を持つ。すなわち獲物の体表に噛み付き、体を回転させることで肉塊を食いちぎると、まるでディッシャーで掬い取ったようにきれいな半球形に窪んだ傷跡ができる。これを可能にしているのは、ダルマザメの口の強い吸引力と下顎の鋭いのこぎりのような形状の歯列である〔 * 〕。 餌の対象となるのはカジキやマグロ、クジラ、イルカなど大型の海産魚および海産哺乳類である。ダルマザメの攻撃は、大型の動物に致命傷を与えるには至らず、生き延びることができるので、それゆえマグロなどがこの独特な傷跡を残したまま市場に並べられることも少なくない。以前はこれがダルマザメによるものだと分からず、市場関係者や研究者を悩ませていた。 サメとしては小型の体格でありながらも、自分よりも大きくて力の強い大型の動物から食物を得ることができるダルマザメの戦略は、餌の少ない深海という環境に適応した一つの手段と言える。上述のように大型動物を攻撃しても致命傷を与えるに至らないので餌の枯渇を招くこともないためダルマザメにとって非常に有効な戦略といえる。 似て異なる食性の魚類として、イソギンポ科で、掃除魚と呼ばれるホンソメワケベラに擬態して、掃除屋になりすまして対象者の皮膚や鰭を食い千切るニセクロスジギンポがいる。 マグロなどの有用魚種を食害する他、海底ケーブルや潜水艦に傷をつけるなど二次的な被害が知られている〔 * 〕。本種が鯨類の体に着けた傷は、研究における個体の識別において有用なものとなっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ダルマザメ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|