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ダレルズ・ボンツィラ : ウィキペディア日本語版
ダレルズ・ボンツィラ

ダレルズ・ボンツィラ〔Gill, 2010〕( ''Salanoia durrelli'' )は、ネコ目マダガスカルマングース科に分類されるマダガスカル固有の肉食哺乳類。本種とサラノマングース ''Salanoia concolor'' とでサラノマングース属 ''Salanoia'' を形成する。両種は遺伝的には近縁であるが、形態が明らかに違うため別種に分類された。2004年に最初の個体が目撃され、2010年になって新種として発表された。2010年10月までに4匹確認されているが、その場所はいずれもマダガスカル島最大の湖であるアラオトラ湖周辺であった〔NG 2010a〕〔NG 2010b〕。
赤茶色の体毛をもつ小型の肉食哺乳類で、近縁種サラノマングースとは、脚の幅が広く肉球が張り出していること、腹部の体毛が赤淡黄色であること、幅広で頑丈な歯をもつことといった違いがある。捕獲され体重を計測されたのは2匹だけで、それぞれの体重は600 gと675 gであった。湿地に生息し、おそらくは甲殻類軟体動物を捕食する。生息地であるアラオトラ湖の生態系は危機にさらされており、ダレルズ・ボンツィラも外来種との競争で絶滅の危機に瀕している可能性がある〔NG 2010c〕。
なお、ボンツィラ "vontsira" とは、マングースに似たマダガスカル固有の肉食動物(サラノマングース属、ワオマングース属、ヒロスジマングース属など)を指すマダガスカル語の言葉である。マダガスカルにダレル野生動物保護基金(DWCT)を設立し自然保護活動を行っていた故ジェラルド・ダレルにちなんで英語一般名をダレルズ・ボンツィラ ''Durrell's vontsira'' と名付けられた〔。
== 分類 ==
2004年、ダレル野生動物保護基金(DWCT)がマダガスカル島最大の湿地帯であるアラオトラ湖地区でジェントルキツネザル ''Hapalemur'' の調査をしていたところ、湖を泳ぐ小さな動物を目撃した。DWCTはこの動物を捕獲し、写真を撮ってから放したが、撮影した写真を分析したところマダガスカルに生息するネコ目マダガスカルマングース科のどの種にあたるか特定できなかった。このためDWCTは2005年にさらに2匹を捕獲、そのうち1匹を殺し形態を比較するなどして詳しく調査した〔Durbin et al., 2010, p. 342〕。2010年、保護活動家ジョアンナ・ダービンと、気候変動対策におけるコミュニティ及び生物多様性への配慮に関する企業・NGO連合(CCBA)、自然遺産ロンドン自然史博物館、コンサベーション・インターナショナルおよびダレル野生動物保護基金からなる調査チームによる報告書によって、学名を ''Salanoia durrelli'' と名付けられた。種小名の ''durrelli'' は、保護活動家でダレル野生動物保護基金の創設者であるジェラルド・ダレル (Gerald Durrell) に因んでつけられた〔Durbin et al., 2010, p. 346〕。なお以前から地元の村人たちの証言によってアラオトラ湖に小型の肉食獣がいることが分かっており、サラノマングース ''Salanoia concolor'' の近縁種ではないかと推測されてきた〔Garbutt, 1999, p. 140〕。
ダレルズ・ボンツィラ ''Salanoia durrelli'' はサラノマングース属( ''Salanoia'' )に分類されているが、この属はこれまでマダガスカル東部に生息するサラノマングース1種のみで構成されてきた。2種は形態上大きな差異が認められるがDNAの構造は大変よく似ている〔Durbin et al., 2010, pp. 345-346〕。よって発見者は、アラオトラ湖の個体を、その重大な形態学上の違いの観点から別の種とすることを選んだ。この形態の独自性は、アラオトラ湖の湿地帯に適応した結果であり、これと似た例として同じくアラオトラ湖周辺に生息するキツネザルの仲間アラオトラジェントルキツネザル ''Hapalemur alaotrensis'' が、より広範に生息するハイイロジェントルキツネザル ''Hapalemur griseus'' と遺伝子的によく似ているが独自の種として認定されたケースがある〔Durbin et al., 2010, pp. 351-352〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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