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チザルピーノETR610電車 : ミニ英和和英辞書
チザルピーノETR610電車[くるま]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
電車 : [でんしゃ]
 【名詞】 1. electric train 
: [くるま]
 【名詞】 1. car 2. vehicle 3. wheel 

チザルピーノETR610電車 : ウィキペディア日本語版
チザルピーノETR610電車[くるま]
ETR610電車(''Elettro Treno Rapido 610'')は、かつてチザルピーノ社が保有し、その後同社による列車運行の停止によりスイス国鉄およびイタリア国鉄トレニタリア〔Trenitalia S.p.A., Roma〕)の所有となった、ペンドリーノの第四世代にあたる車体傾斜式車両である。本稿ではその後スイス国鉄が追加導入したRABe503形についても記述する。
== 概要 ==
1993年から2009年までの間に主にスイスイタリアを結ぶ国際列車を運行していた鉄道会社であるチザルピーノ〔Cisalpino AG, Bern、イタリア語で「アルプスのこちら側」を意味する〕では、1996年からETR470形ペンドリーノを使用して「チザルピーノ」を運行して、アルプス越えでカーブの多い在来線でのスピードアップを図っていたほか、2005年12月以降は、シンプロントンネルまたはゴッタルドトンネルを越える全てのスイス - イタリア間の国際昼行列車(CIS(チザルピーノ)およびEC(ユーロシティ)が、チザルピーノ社によって運営されていた。そのような状況の中、同社では、2007年に予定されていたレッチュベルクベーストンネルの開業に合せて、同トンネル内の250km/h運転への対応や、輸送力の増強を図るために車体傾斜式の電車を増備することとして、2004年フランスアルストム・トランスポール〔Alstom Transport S.A〕に7両14編成(オプション16編成)を4.5億スイス・フランで発注した機体が本項で述べるETR610である。
アルストムは長らく車体傾斜式車両「ペンドリーノ」を開発・製造してきたイタリアのフィアット・グループのフィアット・フェッロヴィアーリア〔Fiat Ferroviaria S.p.A., Savigliano〕を2000年に統合し、2002年より"Nuovo Pendolino"と呼ばれる第四世代のペンドリーノを開発しており、2006年にはイタリア国内向けのETR600を製造し、2008年から運行を開始している。チザールピーノが導入したETR610は、このETR600をベースにスイスおよびドイツ乗入用として所要の変更を行ったもので、その主な内容は、スイスおよびドイツにおけるAC15kV 16.7Hzの架線電圧およびその設置位置への対応、レッチュベルクベーストンネルおよびゴッタルドベーストンネルといった長大トンネルに対応するための出力増強および補助電源装置の冗長性の向上と火災報知器の設置、両国の信号システムへの対応、食堂車の設定や車内液晶表示器の設置、座席配置の変更など接客サービス設備の一部変更、外観塗装の変更などとなっている。
ETR610は予定では2007年12月のダイヤ改正より運行に入る予定であったが、製造スケジュールの遅延により、最初の編成のロールアウトが2007年となり、その後試運転を開始して2008年12月には運行を開始する予定がさらに遅延し、2009年7月から限定的に運行に入り、同年12月のダイヤ改正からシンプロンルートで本格的に運行に入っている。しかしながら、チザルピーノ社による列車運行は、慢性的な遅延の発生を始めとする数々の問題により同改正で終了となったほか、ETR610自体も軸重の重さに起因する軌道への横圧の大きさの問題により、ゴッタルドルートでの運行ができない状況であった。チザルピーノによる運行終了後、本形式もはスイス国鉄とイタリア国鉄に7編成(オプションは8編成)ずつ分配されてユーロシティとして引続きスイス - イタリア間の国際列車として運行され、2010年12月のダイヤ改正から曲線通過速度を制限した上でゴッタルドルートでの運行を開始し、その後2011年5月には地上側の改良などにより、一部速度制限は残るもののETR470やRABDe500形(ICN)と同じ曲線通過速度である速度区分「N」〔Reihen N、なお、速度区分はスイス国鉄の形式名には反映されず、従来の速度区分「R」を表す"R"ABe503形のままとなっている〕での運行を開始している。なお、製造および納入遅延により2009年12月の運行開始時点では予定の14編成中8編成のみが使用されて、残りの機体はその後2011年にかけて順次納入されている。なお、アルストムによる保証期間中は全機チザルピーノの保有のまま両鉄道にリースされており、その後譲渡されているほか、遅延のペナルティとして、一部の編成分についてはアルストムから無償での提供となっている〔同様の事例は、スイス国鉄がシーメンスからRABe514形電車を導入した際(導入予定であった60編成に加え、ペナルティとして1編成と予備部品1式を無償で提供)や、SBBカーゴが同じくシーメンスからRe474形電気機関車を導入した際(18機中6機を受領拒否、初期に導入した運用中の6機を返却し、新造の6機と交換)にも見られる〕。
その後2010年代になっても、ゴッタルドルートの国際列車の運行はETR470を主体に運行されていたが、チザルピーノ社撤退の一因となった同形式の故障等による運行支障の多さや乗客の乗物酔いの問題は解消されず、2011年5月にイタリア国鉄保有のETR470第7編成がスイス国内で走行中に火災事故を起こしたことを契機に、スイス国鉄ではETR470を早期に運用から外すことを決定し、2012年8月にこれを代替するためのETR610二次車をアルストムに8編成2.5億スイス・フランで発注している。この契約はチザルピーノから譲受した8編成のオプション契約を行使したものであるが、形式名がスイス国鉄方式のRABe503形に変更されているほか、ゴッタルドベーストンネルでの運行への本格的な対応〔ETR610も順次改造により対応を予定している〕、バリアフリー対応強化のための座席配置変更、設備機器類のバージョンアップがなされている。このRABe503形は2014年12月に運行に入り、ETR470を代替しているほか、2015年1月には輸送力増強とゴッタルドベーストンネル開業対応用に三次車としてRABe503形4編成が1.2億スイス・フランで発注されている。
形式・編成番号と所属(CIS:チザルピーノ、SBB:スイス国鉄、FS:イタリア国鉄)、2007年から採用されたUIC〔Union Internationale des Chemins de fer〕規格によるヨーロッパ標準動力車番号体系であるEVNの編成番号、機体名は以下のとおりとなっている。
*一次車
 * 610 001 - CIS/FS - 93 83 5 610 101-5 I-TI
 * 610 002 - CIS/FS - 93 83 5 610 102-3 I-TI
 * 610 003 - CIS/FS - 93 83 5 610 103-1 I-TI
 * 610 004 - CIS/FS - 93 83 5 610 104-9 I-TI
 * 610 005 - CIS/SBB - 93 85 5 610 005-6 CH-SBB
 * 610 006 - CIS/SBB - 93 85 5 610 006-4 CH-SBB
 * 610 007 - CIS/SBB - 93 85 5 610 007-2 CH-SBB
 * 610 008 - CIS/FS - 93 83 5 610 108-0 I-TI
 * 610 009 - CIS/SBB - 93 85 5 610 009-8 CH-SBB
 * 610 010 - CIS/SBB - 93 85 5 610 010-6 CH-SBB
 * 610 011 - CIS/FS - 93 83 5 610 111-4 I-TI
 * 610 012 - CIS/FS - 93 83 5 610 112-2 I-TI
 * 610 013 - CIS/SBB - 93 85 5 610 013-0 CH-SBB
 * 610.014 - CIS/SBB - 93 85 5 610 014-8 CH-SBB
*二次車
 * RABe 503 011 - SBB - 93 85 0 503 011-5 CH-SBB
 * RABe 503 012 - SBB - 93 85 0 503 012-3 CH-SBB - Ticino
 * RABe 503 013 - SBB - 93 85 0 503 013-1 CH-SBB
 * RABe 503 014 - SBB - 93 85 0 503 014-9 CH-SBB
 * RABe 503 015 - SBB - 93 85 0 503 015-6 CH-SBB
 * RABe 503 016 - SBB - 93 85 0 503 016-4 CH-SBB
 * RABe 503 017 - SBB - 93 85 0 503 017-2 CH-SBB
 * RABe 503 018 - SBB - 93 85 0 503 018-0 CH-SBB

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「チザルピーノETR610電車」の詳細全文を読む




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