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チタバリ ( リダイレクト:チタン酸バリウム ) : ウィキペディア日本語版
チタン酸バリウム[ちたんさんばりうむ]

チタン酸バリウム(チタンさんバリウム、barium titanate, barium titanium(IV) oxide)は化学式 BaTiO3 で表される、ペロブスカイト構造をもつ人工鉱物である。天然には産出しない。極めて高い比誘電率を持つことからセラミック積層コンデンサなどの誘電体材料として広く使用されている代表的な電子材料の1つであり、代表的な強誘電体圧電素子としても知られる。
1942年アメリカ合衆国のウェイナーとサロモン、1944年に日本の小川建男と和久茂、同じく1944年にソビエト連邦のウルによって、ほぼ同時期に発見された。
==構造と物性==

チタン原子 (Ti) を中心とし、各頂点に酸素原子 (O) を配した八面体の骨格の隙間にバリウム原子 (Ba) が入り込んだ結晶構造を持つ。
結晶構造は低温から高温に向かって菱面体晶-斜方晶-正方晶-立方晶と転移するが、実用上重要なのは室温で安定な正方晶 (Tetragonal) と 120 ℃ 以上で安定な立方晶 (Cubic) である。チタン酸バリウムは正方晶では横より縦が 1% 程度長くなっており、中心の Ti や周辺の酸素が図の位置からわずかにずれた位置で安定になることで強誘電体となっている。ところが温度を 120 ℃ 以上に上げて立方晶にすると位置のずれが解消してしまい、常誘電体となる。この強誘電体から常誘電体へ変わる温度(キュリー点)で比誘電率 εr は最も高くなり、εr = 20,000 以上になるものもある。
バルク結晶の室温でのバンドギャップは3.2 eVであるが、およそ15-7 nmにまで粒子径を細かくすることで3.5 eVまで増加する。
実際にチタン酸バリウムを誘電体材料として使う場合には、カルシウム (Ca)、ストロンチウム (Sr)などのアルカリ土類金属イットリウム (Y)、及びネオジム (Nd)、サマリウム (Sm)、ジスプロシウム (Dy) などの希土類金属などの微量添加により、BaサイトやTiサイトを置換することで焼結体の構造制御を行い、キュリー点の位置をずらす、誘電率を下げるなどの調整を行う。
一方PTCRサーミスタの場合は変化が大きいほどセンサとして感度が良くなるため、別の調整が行われる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「チタン酸バリウム」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Barium titanate 」があります。




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