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チャップ・ブック(Chapbook)は、主に17世紀から19世紀にかけてイギリスで発行されたポケットサイズの本。低価格で、内容は大衆向けの文学や実用的なものなど様々であり、19世紀の書物収集家によって名付けられた。 16~24ページ程度で、内容は伝承的な物語や詩、童話、政治的、宗教的なもの、料理、恋愛、旅行、占いなどのハウツー、ユーモア、暦など多彩であり、版画による挿絵も付いていた。 価格は1ペニー前後で、古くは「ペニー・ヒストリー(''Penny history'')」とも呼ばれていたが〔ここで言うhstoryとは、「歴史」に限らない「物語」一般を指す。〕、''Chapbook''という名は、行商人(''Chapmen'')が売り歩いたことによるとも、古英語で商売を意味する''ceap''がなまったという説もある〔Spufford, Margaret (1984) ''The Great Reclothing of Rural England'' Hambledon Press, London, ISBN 0-907628-47-8〕〔Leitch, R. (1990) "‘Here Chapman Billies Take Their Stand’: A Pilot Study of Scottish Chapmen, Packmen and Pedlars" ''Proceedings of the Scottish Society of Antiquarians'' 120: pp. 173–188〕。現代でも、40ページ以内で詩などの出版物もこの名で呼ぶことがある。 ==歴史== 15世紀頃から「ブロードサイド・バラッド(''Broadside ballads'')」と呼ばれる、大判の紙1枚に俗謡(バラッド)や説教を載せた印刷物が、町や農村で半ペニーか1ペニーで売られるようになった。これは16世紀から20世紀初めまで続き、チャップ・ブックが広がった17世紀には下火になるが、バラッド売りが売り歩くスタイルは継承された。ケンブリッジシャーに残る記録では、1553年にパブで「maistres mass」という俗謡が売られ、1578年には行商人が古着の継ぎ当てと一緒に「ライトル本(''lytle books'')」を売っていた。 チャップ・ブックは、19世紀半ば頃には、印刷技術の発展によって低価格化した新聞の登場により姿を消していった。特に伝道用パンフレットの盛んなスコットランドでは不信心とみなされた。また同時期にアメリカでも数多く作成された。そして18世紀に発生した近代小説が読者を獲得し、人々はチャップ・ブックの素朴な伝承、伝説よりも小説を求めるようになっていった。 これらの冊子類は安価で紙質も悪いため、個々に残存していることは少ない。図書館に残されることもなく、紙が高価だった時代であるため、包装やパン焼き、あるいはトイレットペーパーとしても使用されたのだ。残存しているチャップ・ブックでは、サミュエル・ピープスによる1661-88年のコレクションが重要であり、ケンブリッジのモードリン・カレッジに保存されている。アンソニー・ウッド(アンティーク収集家)も、1660年以前の20冊を含む全65冊のコレクションがありボドリアン図書館に保存されている。またスコットランドにも重要なコレクションがある。ピーター・オーピー(Peter Opie)などの現代の収集家は、主に様式について研究している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「チャップ・ブック」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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