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チャバカノ語(サンボアンガ・チャバカノ語、チャヴァカノ語)はフィリピン各地、特にルソン島のカヴィテ市やミンダナオ島南西部のサンボアンガ市周辺で話される、マレー系言語とスペイン語とのクレオール言語。「チャバカノ語」は、スペイン語で「下品な」「趣味の悪い」などを意味する形容詞「Chabacano」がもとになっており「Chabacano language」と表記されることもあるが、文章やメディア、あるいはサンボアンガ市の話者の間では、正式には「Chavacano language」と表記される。 チャバカノ語はアジア唯一のスペイン語が基になったクレオール言語である。また400年以上にわたり生き延びてきた世界最古級のクレオール言語でもある。フィリピンの言語の中ではオーストロネシア語族に属さない唯一の言語であるが、一方でマレー・ポリネシア語派の共通の特徴である畳語などオーストロネシア語族の要素も併せ持つ。 == 話者の分布 == チャバカノ語話者は、主にサンボアンガ半島突端のサンボアンガ市およびその対岸のバシラン島に集中する。またサンボアンガ半島のサンボアンガ・デル・スル州、サンボアンガ・シブガイ州、サンボアンガ・デル・ノルテ州のいくつかの地域でも話される。さらにミンダナオ島西部のコタバト市、ミンダナオ島南東部のダバオ市、ルソン島のマニラ南西にあるカヴィテ州のカヴィテ市およびにも話者がいる。2000年の国勢調査ではフィリピン国内には607,200人のチャバカノ語話者がいた。サンボアンガ市民77万人の主な言語はチャバカノ語であるため、実際には話者数は国勢調査の数字を上回る可能性もあり、また北アメリカやラテンアメリカなど国外に移住したチャバカノ語話者の数はここには含まれていない。 チャバカノ語話者はフィリピンのみならず、マレーシアのサバ州(ボルネオ島北東部)のの町にも存在する。サバ州は、サンボアンガ半島およびバシラン島と距離が近く、19世紀後半までスールー王国の支配がボルネオ北部へも伸びるなど、ミンダナオ島南西部・スールー諸島とは密接な関係にあった。サンボアンガ半島からスールー諸島に住む・(バンギギ人)、主にバシラン島に住むなどムスリムの諸民族にもサンボアンガ・チャバカノ語の話者はおり、スールー州やタウィタウィ州にかけてチャバカノ語のムスリムが分布している。 チャバカノ語は、話される地域、およびその地域に住んでいた被支配民族の基層言語によりいくつかに分けられる。タガログ語が基になり生まれたチャバカノには、カヴィテ市周辺のカヴィテーニョ(Caviteño)、テルナテ町周辺のテルナテーニョ(Ternateño)、および現在では死語となったマニラ市エルミタ地区のエルミターニョ(Ermitaño)がある。セブアノ語が基になったチャバカノには、サンボアンガ市のサンボアンゲーニョ(Zamboangueño / Chavacano de Zamboanga)、ダバオ市のダヴァオエーニョ(Davaoeño)、コタバト市のコタバテーニョ(Cotabateño)がある。これらのうちサンボアンゲーニョは話者が最も多く、サンボアンガ市の主たる言語にまでなっている。サンボアンガなどではチャバカノ語は教育・書籍・新聞・テレビ・ラジオなどにも用いられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「チャバカノ語」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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