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ツィガーヌ : ミニ英和和英辞書
ツィガーヌ[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

ツィガーヌ : ウィキペディア日本語版
ツィガーヌ[ちょうおん]

ツィガーヌ』(''Tzigane'')は、クラシック音楽の作品。モーリス・ラヴェルによるものとディヌ・リパッティによるものがある。「ツィガーヌ」は「ロマ」を意味するフランス語である。
フランス語において“Tzigane”(ツィガーヌ)は、“Tsigane”, “Gitan”ともいう。これらは、日本で馴染み深い言葉に置き換えると、「ジプシー」を意味する。「ジプシー」とは英語のgypsyからの外来語であるが、かつては「定住しない放浪者」などの意味合いをもって口にされてきたという側面を配慮し、現在では偏見的・差別的表現としてその使用が自粛されており、新しく“Roma”という呼び名が広く使われるようになっている。ロマは、特定の地域の人々を指すというよりも、生活拠点を移動させながら集団で過ごすスタイルの人たちのことを指すため、一概に同じような文化やある一定の地域性を限定することは困難である。
== モーリス・ラヴェルによる作品 ==
ラヴェルによる演奏会用狂詩曲「ツィガーヌ」はヴァイオリンピアノ・リュテアル(またはピアノ)の編成で作曲され、ヴァイオリニストであるイェリー(Jelly d'ARÁNYI:フランス名, 1893 - 1966)に献呈された。ラヴェルは本作を1922年に着想し、1924年4月23日に脱稿したとされる。
ツィガーヌは、ロンドンのラヴェル祭にて、1924年4月26日、イェリーによるヴァイオリンとアンリ・ジル=マルシェックス(Henri Gil-Marchex)によるピアノで初演された。また、同年10月15日のパリ初演では、イェリーによるヴァイオリンとラヴェルによるリュテアルの演奏が行われている。晩年の彼がよく好んだように、ピアノ・パートが管弦楽化された版もラヴェル自身によって仕上げられている。管弦楽版の初演は、同年11月30日、イェリーによるヴァイオリン、ガブリエル・ピエルネ指揮、コンセール・コロンヌ管弦楽団である。
ラヴェルの「ツィガーヌ」は、ハンガリーの地域性を持ったロマの音楽として構想されている。それは、献呈者であるイェリーがハンガリー出身である事実と、彼女から得たハンガリー音楽のヒントを膨らませながら作曲されたという事実から決定づけられている。
スペインバスク人の血を引くラヴェルは、『スペインの時』、『スペイン狂詩曲』、『ボレロ』、『道化師の朝の歌』などとスペインへの憧れを次々と自作品に打ち出していったが、スペインの作曲家ファリャをして「スペイン人以上だ」と言わしめたほどであった。ラヴェルの生まれたバスク地方一帯は、スペイン系ロマが生活の場を置いてきた地域であったが、音楽の民族性に強い憧れを描いたラヴェルは、ここではハンガリー系ロマの音楽を独自の感性で投影し、晩年の複雑な和声によって、非常に濃厚で熱狂的な表現が成功している。
ラヴェルは、サラサーテリストのようにハンガリー・ロマの民族舞踊であるチャールダーシュの形式を採って、緩やかな「ラッサン」と急速な「フリスカ」とで構成し、また多様な変奏で楽しませる。音楽の持つ力性を自由に操りながら立体的に場面展開が交錯する4年前の作品『ラ・ヴァルス』のように、この曲でも、怒涛のように押し寄せる動きが、ぶつかったり絡み合ったり、立ち戻ったり加速したり、緊張したり緩んだりしながら進められ、ソロが伴奏と織り成す流れに身を任せて飲み込まれてみると、そこに見えるこの作品の醍醐味に民族的な情熱を見出す。
当時の批評家たちには「ラヴェルはここで、ツィガーヌ自身以上にツィガーヌ的である。」と賞賛され、晩年の彼にも筆に狂いがないという確固たる巨匠としての表現力を聴衆に改めて知らしめた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ツィガーヌ」の詳細全文を読む




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