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『宇宙の騎士テッカマン』(うちゅうのきしテッカマン、英語表記:''Tekkaman, The Space Knight'')は、タツノコプロ制作のSFアニメ。NETテレビ(現・テレビ朝日)の水曜日19時00分 - 19時30分枠で、1975年7月2日から12月24日にかけて、全26回が放送された。なお、ローカルセールス枠だったため、朝日放送・名古屋テレビなどの一部系列局ではやや遅れて放映された。 == 概要 == 『新造人間キャシャーン』『破裏拳ポリマー』に続く、タツノコプロハードSFアクション路線第3弾〔笹川ひろし『ぶたもおだてりゃ木にのぼる 私のマンガ道とアニメ道』ワニブックス、2000年、pp.137-140〕。「テッカマン」は鉄仮面をモチーフとしている〔氷川竜介『アニメ新世紀 王道秘伝書』徳間書店、2000年、p.180〕。監督は前半を笹川ひろし、後半を鳥海永行が務めた〔。制作当時大ヒットしていた『日本沈没』や『ノストラダムスの大予言』などの終末ブームと、公害などの社会問題など様々なテーマがストーリーに絡められたシリアスな作品である〔DARTS編集『タツノコ・ヒーローズ '70年代・タツノコ4大ヒーロー集合!!』朝日ソノラマ、2001年、pp.74-80〕。映像面では、舞台である宇宙の無重力を表現するため慣性を活かした殺陣〔岡田斗司夫、山本弘『空前絶後のオタク座談会1 ヨイコ』音楽専科社、2001年、p.164〕、エアーブラシを使用した特殊効果、『タイムボカン』と同じくスキャニメイトによる画像変形技術をオープニングに採用し、「トォー」などの声にエコーをかけるなど音声面でも工夫を凝らした意欲的な作りとなっている〔〔。宇宙版『科学忍者隊ガッチャマン』という意図もあったという〔氷川竜介『アニメ新世紀 王道秘伝書』徳間書店、2000年、p.179〕。 11話「失われた宇宙船」は傑作エピソードとして名高い〔岡田斗司夫、山本弘『空前絶後のオタク座談会1 ヨイコ』音楽専科社、2001年、p.170〕〔氷川竜介『アニメ新世紀 王道秘伝書』徳間書店、2000年、p.181〕〔山本弘「タツノコプロ アンチ・ヒーローたちの憂鬱」『別冊宝島293 このアニメがすごい』宝島社、1997年、pp.39-41〕。 しかし、前年の他社のテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』が打ち切りになったように、宇宙モノを当てるのは難しいという当時のアニメ業界のジンクスを破ることはかなわず、本作も半年で打ち切りとなった。最終話は、敵の集団ワルダスターの巨大宇宙要塞に雄叫びを上げて決戦に挑むテッカマンの姿で終了し、結末は描かれていない〔氷川竜介『アニメ新世紀 王道秘伝書』徳間書店、2000年、p.189-190〕〔『動画王 Vol.1 決戦!巨大ロボットアニメ』キネマ旬報社、1997年、p.56〕。 1年間の予定で構成されたストーリーが本格的に動く前に終了したため〔〔多くの謎が残った本作だが、1990年代にパイオニアLDCが発売したLD-BOXの解説書には第3クール以降の構成案も掲載されており、これによって以後のストーリー進行と謎の一部を解明することができる。構成案によると第27話からは、リープ航法で人類の移住先探索に旅立ったテッカマン一行とワルダスター艦隊との新たな闘いが、大宇宙における未知の自然現象を交えながら描かれる予定だった。また、第1話で死亡したと思われていた主人公・南城二の父がワルダスター側のテッカマンとして城二の前に現れ、悲劇の親子対決を繰り広げるほか、宇宙帝王ドブライの正体は「全宇宙の意志」ともいえる不滅の超生命体であることが明らかになり、「自らの母星を公害で滅ぼした地球人の宇宙進出は許されない」という終盤の展開も練られていた。物語の終局としては「激闘の末にワルダスター艦隊との最終決戦を制したテッカマン一行は、人類の移住可能な惑星を遂に発見するが、その星の先住民は核戦争で死に絶えており、大地も荒廃して久しい状態だった。しかし、クリーン・アース計画を転用すれば復興可能である」という意外な結末が脚本の陶山智らによって構想されている。 17年後の1992年には当作の設定を換骨奪胎して『宇宙の騎士テッカマンブレード』が製作され、本作がなしえなかった結末を描ききっている。 『テッカマンブレード』は上記の通り本作の設定の一部を流用している別作品であり、本作の続編ではない。 2015年5月27日にキングレコードよりBD-BOXが発売された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「宇宙の騎士テッカマン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Tekkaman: The Space Knight 」があります。 スポンサード リンク
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