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テトゥアン : ウィキペディア日本語版
テトゥアン

テトゥアンベルベル語: Tiṭṭawin, ティタウィン; ; ; ; )は、モロッコ北部にある町。モロッコの地中海側にあり、北に40kmほどのところには地中海と大西洋を分かつジブラルタル海峡がある。タンジールからは東へ60km、ジブラルタル海峡に面したスペインの飛び地セウタからは南へ40km。町の周辺には主要道路が通っており、中心部の6km東にはサニア・ラメル空港がある。人口は2004年国勢調査で320,539人。1997年に「テトゥアン旧市街」(テトゥアンのメディーナ)がユネスコ世界遺産として登録された。
== 概要 ==

ベルベル語では「ティタウィン」と呼ばれていた。ティッタウィンとはベルベル語で「目」を意味するが、この地に湧く泉の比喩表現である。現在では、「ティトゥアン」などとも表記されている。日本人がこれを聞き、カタカナで書き下すと、発音の関係でテトゥアンから離れる事がしばしばある。
白い壁の家が多く、市街地などでは家々が密集している地域が多い。特にメディーナと呼ばれる旧市街地は低層の白い家々が立ち並び職人らが多く住み、この部分が世界遺産となっている。公用語こそアラビア語であるが、アラビア語モロッコ方言が主に話される。リーフ語(ベルベル語)を日用生活に使う少数派もいる。スペイン語フランス語も仕事や学問の分野では使われている。主な宗教はイスラム教だが、キリスト教徒の少数派もいる。また、メラー(mellah)と呼ばれるユダヤ人地区も残る。これはヨーロッパでいうゲットーに似たもので、町から隔てられ、夜には門を閉ざされていた。
テトゥアンはリーフ山地の北方のマルティル川渓谷(Martil)の肥沃な北斜面に広がり、町の北と南と西は山に囲まれている。テトゥアンの町の周辺はオレンジアーモンドザクロなどの果樹園が広がり、スギなどが生えている。テトゥアンから北東へマルティル川に沿って車でゆくと、すぐにテトゥアンの外港で地中海に面したリゾート地でもあるマルティルの街に着く。町の北の岩山はアンジェラ郡の南端にあたり、一方川を挟んだ南側の山は手つかずの自然もまだ残り古い風俗も残るリーフ山地へと続いている。
町の通りは広々としている。家の多くはイスラム時代のイベリア半島(アル=アンダルス)からレコンキスタで追われた貴族の末裔が住み、大理石の噴水やオレンジの木などを植えた中庭がある。家々の天井の彫刻や壁画も、グラナダアルハンブラ宮殿に残る装飾に似た特徴を見せており、床や柱はタイルによるモザイクでおおわれている。主な伝統産業は銀の糸をはめこんだタイルの製造、底の厚い履物、その他フリントロック式の銃や織物類などがある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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