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テーレポス(, )は、ギリシア神話の人物であり、小アジアのミューシアの王である。長母音を省略してテレポスとも表記される。 ヘーラクレースとアルカディアのテゲアーの王アレオスの娘アウゲーの子。トロイア王ラーオメドーンの娘アステュオケーを妻とし、エウリュピュロスをもうけた〔スミュルナのコイントス、6巻。クレータのディクテュス、2巻5。〕。あるいはミューシアの王テウトラースの娘アルギオペー〔シケリアのディオドロス、4巻33・12。〕、プリアモスの娘ラーオディケーを妻にしたとも〔ヒュギーヌス、101。〕、またヒエラーという妻がいたともいわれ、〔ピロストラトス。〕、彼女との間にタルコーンとテュレーノスをもうけたという〔リュコプローン。〕。 テーレポスは幼いころに捨てられたが、後に母と再会しミューシアの王となった。トロイア戦争においてはギリシア軍がトロイアと間違えてミューシアを攻撃したさいにこれと戦ったが、その後両者は和解し、ギリシア軍がトロイアに航海できたのはテーレポスが案内したおかげだとされる。 == 神話 == ===テーレポスの誕生=== かつてテゲアーの王アレオスはデルポイで神託を授かったとき、自分の息子たちが娘アウゲーの生んだ子供に殺されると告げられた。このためアレオスはアウゲーをアテーナー・アレアー神殿の女神官とし、アウゲーにもし男と通じたら殺すと言った。ところが英雄ヘーラクレースがテゲアーにやってきたとき、アレオスはアテーナーの神殿でヘーラクレースをもてなしたが、酒に酔ったヘーラクレースはアウゲーに欲情して犯してしまい、アウゲーは子を身ごもった。〔アルキダマース『オデュッセウス』14。〕。後にアウゲーは密かに子を出産し、神殿内に隠した。しかしこの行為がアテーナーの怒りに触れ、テゲアーは疫病が流行した。あるいは飢饉に見舞われたともいわれる。アレオスが神託に原因を尋ねると、神殿内に原因があると告げられた。そこでアテーナーの神殿を調べるとアウゲーの生んだ赤子が見つかった。アレオスは赤子をパルテニオン山に捨て、アウゲーを罰するためにナウプリオスに引き渡した。しかしナウプリオスはアウゲーをミューシアの王テウトラースに与え、テウトラースは彼女を妻とした。一方、赤子は神の意思によって牝鹿に養われ、牧人に発見されて育てられた〔アポロドーロス、2巻7・4、3巻9・1。〕。そのさい、赤子は牝鹿(エラポス)にちなんでテーレポスと名づけられたという〔アポロドーロス、3巻9・1ほか。〕。 その他にもテーレポスの誕生には多くの別伝がある。ヒュギーヌスによると、アウゲーは密かにパルテニオン山で子を生んで捨てた。アウゲーはさらに父を恐れてミューシアのテウトラース王のもとに逃げ、テウトラースは彼女を自分の娘とした。同じころ、アルカディアの女戦士アタランテーも自分の子をパルテニオン山に捨てた。そこで牧人たちは子供たちを見つけ、アウゲーの子を牝鹿にちなんでテーレポスと名づけ、アタランテーの子は彼女が実際は処女ではなかったことにちなんでパルテノパイオスと名づけて育てた〔ヒュギーヌス、99。〕。 アルキダマースによると、アレオスはアウゲーが妊娠しているのを見つけ、海で溺死させるべくナウプリオスに引き渡した。しかしパルテニオン山を通ったとき、アウゲーが赤子を出産し、それを見たナウプリオスは2人をミューシアのテウトラース王のところに連れて行ったという〔アルキダマース『オデュッセウス』14。〕。 さらにシケリアのディオドロスによれば、アウゲーはナウプリオスともにパルテニオン山を通ったときに密かに子を生んで捨てたといい、アウゲーはテウトラース王のところに連れて行かれた。一方の赤子は牝鹿に養われているのを牧人に発見され、牧人はコリュトス王に赤子を渡し、王によってテーレポスと名づけられて育てられたという〔シケリアのディオドロス、4巻33・7~33・12。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「テーレポス」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Telephus 」があります。 スポンサード リンク
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