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Dill
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イノンド(蒔蘿、''Anethum graveolens'')はセリ科の一年草。英名はディル (dill)。種子や葉を香味料や生薬として用いる。 イノンド属 () に属する唯一の種であるが、稀にカワラボウフウ属 () に分類されることもある。西南アジアから中央アジアが原産。成長すると高さ40-60cmに達し、細い茎には細かく裂開した柔らかな葉が互生する。成長した葉は長さ10-20cm、幅1-2mmほどとなる。花は白か黄色で、2-9cmほどの小さな繖形花序をつくる。種子は長さ4-5mm、厚さ1mmほどで、直線またはやや湾曲した形をしており、表面は縦方向に波状のうねりをもつ。 香りの主成分はカルボン。他にリモネン、ピネン、ジペンテン、フェランドレンを含む。 英名 (dill) はノルウェー語またはアングロサクソン語で「なめらかな」あるいは「あやす」を意味する言葉「dylle」に由来すると考えられており、これはこの植物が駆風薬として痛みを和らげる作用を持つためである。 和名のイノンドは、スペイン語の呼称イネルド(eneldo)が転化したものといわれている〔ディル/Dill エスビー食品 ハーブ検索 2015年5月10日閲覧〕。また、イノンドは同じセリ科のキャラウェイと同じくヒメウイキョウと呼ばれることがある〔イノンド エーザイ くすりの博物館 2015年5月10日閲覧〕。 == 用途 == イノンドは薬草として古くからヨーロッパ・北アフリカ・アジアで栽培されてきた。5000年前にはエジプトの医師に使用されており、またイギリスにあるローマ時代の廃墟からもその痕跡が見つかっている。また、中世には魔術を防ぐ効果があるとも考えられていた。 イノンドはセム系言語では「シュビット」と呼ばれており、タルムードには十分の一税をイノンドの種子、葉、または茎で支払うことと命じた箇所がある。新約聖書にはパリサイ人がイノンドで税を支払っていたことを記述する場面がある(「マタイによる福音書」23章23節)。 イノンドを含め、セリ科の香辛料は混同や混乱が多い。韓国市場での蒔蘿子はフェンネルであることが多く、中国浙江省では蒔蘿子の名でドクゼリの種子が取引されていた。また、ヨーロッパ向けに輸出されているインド産のディルはキャラウェイの代用品とされている。 シダ状の葉にはキャラウェイのような芳香があり、今日でも香草として、グラブラックス(塩漬けの鮭)、ボルシチなどのスープ、ピクルスなど、様々な料理に使用されている。ただし、イノンドの葉は乾燥するとすぐに香りが失われてしまうため、新鮮なうちに使用する必要がある。 種にも強い香りと味があり、スパイスとしてカレーやピクルスなどに使用する。また、種は薬用としても使用される。ポーランド料理には欠かせない食材であり、ピクルスやサラダ、あるいは冷製スープやオードブルなどに大量に使用される。北アメリカではディルとピクルスで自然とポーランド人が連想される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イノンド」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Dill 」があります。 スポンサード リンク
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