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ディープ・スペース・クライメイト・オブザーバトリー(Deep Space Climate Observatory)、ディスカバー(DSCOVR)は、太陽フレア、プロトン現象など太陽表面の変化を観測するアメリカ海洋大気庁(NOAA)の人工衛星(太陽周回軌道)である。スペースX社のファルコン9 v1.1型ロケットによって2015年2月11日にアメリカ合衆国のフロリダ州ケープ・カナベラルから打ち上げられた。以前はトリアナ(Triana)、非公式にはゴアサット(GoreSat)と呼ばれていた。 1998年、当初は温暖化に関する地球観測の目的で当時のアル・ゴア副大統領の強い働きかけによりアメリカ航空宇宙局(NASA)で衛星が開発された。地球から太陽方向に約 150万km離れた太陽-地球 ラグランジュ点 L1をリサジュー軌道を描きながら周回する。変動する太陽風の状態をモニターすることでコロナ質量放出への早期警戒情報を提供し、および、オゾン、大気中微粒子、ちりと火山灰、植生と気候の変化を含む地球上の現象の観測も行っている。この観測点は、太陽と地球の日の当たる側が常に見えており、観測に都合が良い。地球から見た太陽と衛星の角度を 4から 15度の間で変化しながら、6ヶ月周期でL1点の周辺を軌道に乗って回り、同時に地球と同じ公転周期で太陽を周回する。衛星は、2時間ごとに地球の全球画像を撮影して、他の地球観測衛星よりも早く調べることができるとしている。 == 経緯 == 当初名づけられた「トリアナ」という名称は、大航海時代のコロンブス隊の船乗りでヨーロッパ人としてアメリカ州の陸地を最初に見つけたロドリゴ・デ・トリアナに由来する。衛星の最初の目的は、繋ぎ目のない地球の全球画像の撮影と、作成したライブ画像をインターネット上で利用できるようにすることにあった。ゴアは、これらの画像を科学の推進に役立てるだけでなく、アポロ17号のクルーによって撮影された著名な地球写真「ブルー・マーブル」を上回るインパクトを世間に与えられることを望んだ。撮影用カメラに加えて、衛星には放射計が搭載され、地球表面にどれくらいの日光が照射され反射されたかという反射能(アルベド)を測定する。このデータは、地球温暖化プロセスのための指標を構成することができる。さらには、地球に到達する太陽エネルギーの量を計るために、パターンによる曇の容量測定、気象システム、地上の植生状態の監視、オゾン層を透過して地表に届く紫外線量を追跡するなど、科学的目標は拡大していった。 1999年、NASAの監察官は「トリアナ計画の基本構想は、評価基準に満たない」と報告、さらに「トリアナに盛り込まれた追加の申請は、NASAの限られた科学資金調達における最適な支出とはならない可能性がある」と指摘した。これを受けブッシュ政権は、大統領の就任直後に計画を保留。対して米国議会議員は、計画に価値があるかを米国科学アカデミーに確認を行い、2000年3月発表の審査報告で「(計画は)強固で科学的に重要である」との回答を得た。 2003年のスペースシャトルコロンビア号空中分解事故(STS-107)に起因する打ち上げスケジュールの遅れにより、トリアナは最初の打ち上げ機会を失った。その後、制作費 1億ドルの衛星は、ブッシュ政権が継続している間は保管されたままとなっていたが、2008年11月、衛星の保管指示が解かれ、デルタ IIかファルコン9いずれかの発射可能なロケットに載せるための手続きを開始した。アル・ゴアは、衛星運用の議論を復活させる試みとして地球温暖化に関する著書「我々の選択(Our Choice)」を2009年に出版した。そこでは衛星打ち上げに尽力するバーバラ・ミカルスキとビル・ネルソン両上院議員による立法上の活動にも言及している。NASAは、計画への支持を回復させるべく、衛星の名前を「深淵宇宙気候観測衛星(ディスカバー、DSCOVR)」に変更。2011年2月、オバマ政権は老朽化した「アドバンスド・コンポジション・エクスプローラー(ACE)」に代わる新たな太陽観測衛星として、ディスカバーを再利用するための予算確保を始めた。 2012年12月、NASAはスペースX社のファルコン9ロケットによる打ち上げを発表し、2013年9月、ディスカバーを2015年前半の打ち上げを目標とする実施段階に進行させることを明言した。管制とシステムの運用は、NASAのゴダード宇宙飛行センターが担当する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ディープ・スペース・クライメイト・オブザーバトリー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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