|
ダゴン(Dagon)は、古代パレスチナにおいてペリシテ人が信奉していた神。名前の由来はヘブライ語のダーグ(魚)とアオン(偶像)ともダーガーン(穀物)ともいわれる。父親はエル。伝承によってはバアルの父とされる。魚の頭をもつ海神と考えられてきたが、。ガザとアシトドに大きな神殿があった。 == 概説 == 旧約聖書サムエル記上第5章に記述された内容によれば、ペリシテ人はイスラエルと戦い、勝利して契約の箱を奪ったとき、アシトドのダゴンの神殿にこれを奉納した。翌朝、ダゴンの神像は破壊され、ペリシテ人は疫病に悩まされたため、ペリシテ人は賠償をつけて契約の箱をイスラエルに返したとされる。破壊された神像は頭と両手が切り離されて魚のような体の部分だけが残っていたという。また、旧約聖書士師記16章には、サムソンを捕えたペリシテ人は、ダゴンに生贄を捧げ、ダゴン神殿でサムソンを見せ物にした。しかし、サムソンは力を取り戻し、中心の2本の柱を引き倒すことで神殿を崩落させ、3000人のペリシテ人とともに死んだ事が書かれている。 近世ではミルトンの『失楽園』において「海の怪物」とされ、悪魔の一人に数えられている。ここではすでにダゴンは上半身が魚の半魚半人の姿をもつものとされる。 コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』においては地獄のパンの製造と管理を司るパン管理長の座に就いているとされる。 旧約聖書の中ではイスラエル人と敵対したペリシテ人の崇拝した神と悪神扱いされたが、これは何もダゴンに限らず。多くの神が悪魔に落とされている。古い神が次第に悪魔や怪物と貶められる事は、神話の世界では常にあることであり、もともとダゴンは邪悪な神ではなかったはずだが、ユダヤ教で悪神とされ、ユダヤ教から発生したキリスト教でも同様に扱いを受けたことから悪神として定着し、さらにクトゥルフ神話に取り入れられることになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ダゴン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Dagon 」があります。 スポンサード リンク
|