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デウカリオーン(, )は、ギリシア神話の登場人物である。長母音を省略してデウカリオン、もしくはデュカリオンとも表記される。プロメーテウスとクリュメネー〔『オデュッセイア』10巻2行への古註。〕、プロノエー〔ヘーシオドス断片5(『オデュッセイア』10巻2行への古註)。〕〔中務哲郎訳『ヘシオドス全作品』ではプリュノエーとなっている。〕、ヘーシオネー〔アクーシラーオス断片33(『オデュッセイア』10巻2行への古註)。〕〔アイスキュロス『縛られたプロメテウス』560。〕、あるいはパンドーラーとの息子で〔ヘーシオドス断片3。『名婦列伝』1巻(ロドスのアポローニオス『アルゴナウティカ』3巻1086行への古註)。〕、プティーアーの王〔アポロドーロス、1巻7・2。〕。デウカリオーンの妻ピュラーは、プロメーテウスの兄弟エピメーテウスとパンドーラーの娘である〔〔。 「デウカリオーンの洪水」で知られる。世界中の神話や伝説に共通して見られる大規模な大洪水伝説は、紀元前3000年ごろのメソポタミアで起こった大洪水の記録であるとする説が有力である。デウカリオーンの大洪水神話は、この記録と、ギリシアで起こった大洪水の伝承とが重なったものと考えられている。 また、ギリシア神話には本項で述べるデウカリオーン以外に、クレータ島の王ミーノースの子でイードメネウスの父となったデウカリオーンが、別人として登場する。 == 神話 == === リュカーオーンと息子たち === ゼウスが洪水を起こした原因は、次のようなものである。ペラスゴスの息子リュカーオーンとその子たちは、不信心のために神々の怒りを買った。リュカーオーンは当初アルカディアにゼウス・リュカイオスの信仰を広めたが、神に祈る際に人間の少年を生贄としたことでゼウスによって狼の姿に変えられた。リュカーオーンの家はゼウスの雷霆で焼き払われた。リュカーオーンの息子たちは22名とも50名ともいうが、その悪行の噂はオリンポス山にも知れ渡っていた。ゼウスは貧しい旅人に身をやつしてリュカーオーンの息子たちのもとを訪れた。彼らは旅人に臓物入りのスープをすすめたが、スープには、羊や山羊の臓物だけでなく、彼らの兄弟の一人ニュクティーモスの腸が混ぜてあった。ゼウスはこれを見破ってリュカーオーンの息子たちを狼の姿に変え、ニュクティーモスだけは生き返らせたという。別説では、息子たちが殺したのはニュクティーモスではなく土地の少年であり、ニュクティーモスが生き残ったのは、ガイアがゼウスを止めたからであるという。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「デウカリオーン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Deucalion 」があります。 スポンサード リンク
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