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デーメーテール()は、ギリシア神話に登場する女神である。長母音を省略してデメテルとも表記される。豊穣神であり、穀物の栽培を人間に教えた神とされる。オリュンポス十二神の一柱。その名は古典ギリシア語で「母なる大地」を意味する。「掟をもたらす者」という意味の「デーメーテール・テスモポロス」という別名がある。 == 概説 == クロノスとレアーの娘で、ゼウスの姉にあたる。ゼウスとの間に娘コレー(後の冥府の王妃ペルセポネー)をもうけたが、その経緯はゼウスがデーメーテールに無理やり迫った挙句、無理やり子供を作らされた為、ゼウスにあまり良い印象を持っていなかった(ただし子供であるペルセポネーには愛情を注いでいた)。さらに兄弟の海神ポセイドーンからも無理強いされ、秘儀の女神デスポイアと1頭の名馬アレイオーン(アリーオーン)を生んだ。最も有名な恋人のイーアシオーンはゼウスの嫉妬によって稲妻に撃たれた。 普段は温厚だが怒ると飢餓をもたらすため、ゼウスも一目置いている。テッサリアの王エリュシクトーンが屋敷を増築するため、デーメーテールの聖地である森の木を根こそぎ伐採したときには、彼の下へ「飢餓」を遣わしてエリュシクトーンをいくら食べても満たされないようにし、最終的にはエリュシクトーンが自身の体を貪り食う形で死に追いやった。だが、彼の娘であるムネーストラーには同情し、恩恵を施した。 デーメーテール信仰の歴史は非常に古く、紀元前10世紀(さらに遡って紀元前17~15世紀頃からデメテルの祭儀(エレウシスの秘儀)が始まっていることからかなり古い可能性もある)にも遡ると考えられる。デーメーテールの名前も後半「メーテール」は古代ギリシャ語の母を意味する言葉である。前半の「デー」ははっきりとはしないが、大地を意味する「ゲー」(ガイア)が変形したものであるとの説が有力である。この名前が示す通り、彼女は本来、ギリシャの土着の農耕民族に崇拝された大地の女神、豊穣の女神と考えられている。 後世にギリシャに侵入した遊牧民族(と考えられる)は農耕民族を征服し、被征服民族のこの信仰を弾圧した。デーメーテールがゼウスに辱めを受ける神話は豊穣の女神に奉じる農耕民族が雷の神を奉じる遊牧民族に征服されたことを、ペルセポネーが攫われた事でデーメーテールが放浪する神話は彼女の信仰の拠点が弾圧によって各地を転々とした事を示していると考えられている。 しかし結局、被征服者のデーメーテール信仰を無視できず自らの神である雷の神の姉(あるいは妹)であり愛人の地位を与えて取り込んだものと考えられ。神話でもデーメーテールは神々の始祖であるガイアからレアーに続く地母神の正当な後継であり、数多の女神の中でも最高位の存在とされ「大女神」と呼ばれている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「デーメーテール」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Demeter 」があります。 スポンサード リンク
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