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デュアメルの原理 : ミニ英和和英辞書
デュアメルの原理[でゅあめるのげんり]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [はら, もと]
  1. (n,n-suf,n-t) (1) origin 2. basis 3. foundation
原理 : [げんり]
 【名詞】 1. principle 2. theory 3. fundamental truth 
: [り]
 【名詞】 1. reason 

デュアメルの原理 : ウィキペディア日本語版
デュアメルの原理[でゅあめるのげんり]
数学の、特に偏微分方程式の分野で用いられるデュアメルの原理(デュアメルのげんり、)とは、熱方程式波動方程式やなどの線形発展方程式の解を得るための一般的な手法である。薄い板を底から温める際の熱の分布のモデルとしての非同次熱方程式に対して初めてこの原理を利用した、の名にちなむ。デュアメルの原理は、調和振動子のような空間依存性を持たない線型発展方程式に対しては、線型同次常微分方程式を解く際に用いられる定数変化法に帰着される〔 Fritz John, "Partial Differential Equations', New York, Springer-Verlag, 1982, 4th ed., 0387906096 〕。
デュアメルの原理の根本となるアイデアは、コーシー問題(あるいは初期値問題)の解から非同次問題の解を得ることが可能、というものである。例えば、R''n'' 内の熱エネルギー ''u'' の分布をモデル化する熱方程式の例を考える。このときの初期値問題は
:
\begin
u_t(x,t) - \Delta u(x,t) = 0 &(x,t)\in \mathbf^n\times (0,\infty)\\
u(x,0) = g(x) & x\in \mathbf^n
\end

となる。ただし ''g'' は初期の熱分布である。この熱方程式に対応する非同次の問題は
:
\begin
u_t(x,t) -\Delta u(x,t) = f(x,t) &(x,t)\in \mathbf^n\times (0,\infty)\\
u(x,0) = 0 & x\in \mathbf^n
\end

のように表される。ここで ''ƒ''(''x'',''t'')''dt'' は各点に加えられる外的な熱エネルギーである。直感的に、この非同次問題は、各時間 ''t'' = ''t''0 ごとに考えられる同次問題を集めたものと考えられるであろう。線型性により、その同次問題の解を時間 ''t''0 毎に足し上げる(積分する)ことで、求めたい非同次問題の解を得ることが出来る。この考えがデュアメルの原理の本質である。
== 総論 ==

形式的に、ある函数
:u:D\times(0,\infty)\to \mathbf
R''n'' 内の空間領域 ''D'' に関する線型の非同次発展方程式として、次のような形状のものを考える。
:
\begin
u_t(x,t) -Lu(x,t) = f(x,t) &(x,t)\in D\times (0,\infty)\\
u|_ = 0 &\\
u(x,0) = 0 & x\in D.
\end
ここで ''L'' は、時間に関する微分は含まない線型の微分作用素である。
デュアメルの原理は、形式的に、この問題の解は
:u(x,t) = \int_0^t (P^sf)(x,t)\,ds
で与えられるということを述べたものである。ただし ''P''''s''''ƒ'' は次の問題の解である。
:
\begin
u_t - Lu = 0 & (x,t)\in D\times (s,\infty)\\
u|_ = 0 &\\
u(x,s) = f(x,s) & x\in D.
\end

デュアメルの原理は(ベクトル値函数 ''u'' を伴う)線型システムに対しても同様に適用される。またデュアメルの原理は、波動方程式に現れるような高次の ''t'' 微分に対する一般化も与える(下記参照)。この原理の正当性は、同次問題を適切な函数空間の上で解くことが出来るか、またその解は積分が well-defined となるような良いパラメータ依存性を示すものであるか、という点に依存する。''u'' および ''f'' に関する正しい解析的条件は、その適用される場面に依存するものである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「デュアメルの原理」の詳細全文を読む




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