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デルタ合板(デルタごうはん、デルタ木材、デーリタ・ドレヴェシーナ、デーリタ・ドリェヴィェスィーナ、デルタ・ウッド、ロシア語:デーリタ・ドリヴィスィーナ)は、ソ連で航空機の構造材として開発された合板(積層材)の一種。''デーリタ・ドリヴィスィーナ)は、ソ連で航空機の構造材として開発された合板(積層材)の一種。 == 概要 == デルタ合板は、白樺材などの薄い張り板を圧縮または接着することにより製造された。その張り板にはフェノール・ホルムアルデヒドまたはクレゾール・ホルムアルデヒド樹脂が染み込ませてあった。通常圧力は6 atmで、温度は270 ℃とされた。 まず第一に、デルタ合板は厚さ0.5 mmのワニスで塗られ145~150℃、1~1.1 kg/mm2で圧縮された張り板から作られた。このようにして密度を高められた木材は、一時的には27 kg/mm2の抵抗に耐えることができるようになった。なお、通常の松材では11 kg/mm2、ソ連のアルミニウム材D-16()では43 kg/mm2である。 デルタ合板は、ソ連で最初の全木製戦闘機LaGG-1(当初制式名称I-22、工場名称I-301)の製作に全面的に貢献した。LaGG-1はLaGG-3として完成し、ナチス・ドイツ軍との戦争において赤軍航空隊の一翼を担った。その他、デルタ合板は金属節約のためイリューシンやヤコヴレフ製の機体の胴体や主翼にも使用された。 デルタ合板で製造された機体は重量がかさみ、機動性に劣りまた扱いにくかった。特にエンジン周り以外のほとんどがデルタ合板で製作されたLaGG-3は操縦の難易度が非常に高く、パイロットから「ニスを塗った完璧な棺桶」と渾名された。だが、デルタ合板は大変丈夫で耐火性にも優れ、多くのパイロットの生命がこれによって救われた。もっとも重要なことは、この合板のおかげでソ連軍は航空機に用いる高品質の金属の必要量を減らすことができたことである。 独ソ戦初期、ドイツ軍の急襲によって重工業の中心地であったウクライナを蹂躙されたソ連軍は、この特殊な木材を航空機の機体構造に多用することにより航空機の大量供給を可能ならしめた。もし、デルタ合板が開発されていなかったら、赤軍は太平洋戦争末期の日本軍のように極めて困難な状況に直面していたであろう。戦争後期には徐々にアメリカ合衆国から鉄鋼の支援を受けられるようになり、ソ連製軍用機の機体構造も次第に金属化されていった。戦後は国内の復興も急速に進み、ほとんどの機体が全金属製となった。 現代では、デルタ合板は木製家具に使用されている。特に強度を必要とする繋ぎ材に使用されることが多い。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「デルタ合板」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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