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デルタIV : ミニ英和和英辞書
デルタIV
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。


デルタIV ( リダイレクト:デルタ IV ) : ウィキペディア日本語版
デルタ IV[でるたあいぶい]

デルタ IVはアメリカ合衆国の人工衛星打ち上げ用使い捨てロケットである。ボーイング社の統合防衛システム部門によって設計され、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス (ULA)によって生産される。デルタロケットシリーズの最新型であり、2010年代でも運用中である。最終的な組み立てはULAの射場で行われる。
== 詳細 ==
デルタ IVは、アメリカ空軍のEELV計画により主に軍用に用いられるが、商業用人工衛星の打ち上げ用にも設計されている。デルタIVロケットは、その打上げ重量により5種類に分けられる。ミディアム、ミディアム+ (4,2)、ミディアム+ (5,2)、ミディアム+ (5,4)とヘビーであり、ペイロードの規模と重量に応じて使い分けられる。ロケットはケープカナベラル空軍基地SLC-37Bヴァンデンバーグ空軍基地SLC-6水平統合施設において、打ち上げの為に組み立てられる。
デルタIVの1段目はロケットダインRS-68エンジンを動力とする1基またはヘビー用の3基のコモン・ブースター・コア(CBC)で構成される。 多くの第1段ロケットエンジンと異なり、ケロシンを使用せずRS-68は液体水素液体酸素を推進剤としている。
2002年、RS-68は1970年代のスペースシャトルの主エンジン(SSME)以来の新規に設計された大型液体燃料ロケットエンジンとなった。 RS-68の当初の目的は、SSMEと比較して、あらゆる部門での費用を低減させる事を目指した。燃焼室の圧力や比推力を犠牲にしたために、推進効率が落ちたが開発期間や部品点数、開発費や組み立て工数はSSMEよりも規模が大きいにも拘らず、大幅に減らすことが出来た。
一般的にRS-68は打ち上げてから最初の数分間は定格の102%の推力を発揮し、主エンジンを停止する前に出力を58%まで下げる事が出来る
。ヘビー型ではCBCのエンジンは打ち上げ後約50秒間は出力を58%まで下げ、その間に両側の補助ロケットとして使用されるCBCの出力は102%である。これにより中心のCBCは推進剤を温存し、長時間燃焼する事が出来る。両側のCBCを分離後、中心のCBCは出力を102%に戻し、停止前には58%まで下げる。
RS-68エンジンは、下部の推力構造体に4つの推力を受けるフレームで取り付けられ、円錐型の熱保護遮蔽板に囲まれる。推力構造体の上はアイソグリッド構造(重量軽減の為にタンク内壁は格子状に機械加工で削られている) のアルミニウム製の液体水素タンクであり、中央部の複合材でアルミニウム製アイソグリッド構造の液体酸素タンクと前のスカートにつながっている。CBCの後部には電機と信号の配線と液体酸素をRS-68エンジンへ供給する為の配管がある。CBCは連続して直径5mである〔。
L-3 コミュニケーションズは以前にデルタIIで使用されていた冗長慣性制御装置(RIFCA)を供給するが、ソフトウェアはデルタIIとデルタIVでは全く異なる。RIFCの特徴はそれぞれ6台のリングレーザージャイロスコープ加速度計を使用する事で高い信頼性を確保している〔L-3 Space & Navigation's RIFCA Trihex 〕。
デルタIVの上段は本質的にはデルタ IIIと似ているがタンクは摩擦攪拌接合で形成され、全長は4m、直径は5mに拡大されている。2段目は比推力を増やす為に進展式の炭素製のノズルを備えプラット&ホイットニーRL-10B2エンジンが使用される。機種に応じて1段目と2段目の間の円錐形の段が使われる場合もある。直径5mから4mの中間段が直径4mの派生型が上段に使用される場合に使用され円柱型の中間段の直径は5mである。両方の中間段は複合材で製造される。
衛星を格納するフェアリングは用途に応じて用意される。デルタIIIと同等の直径4mの複合材製フェアリングが4mの派生型として使用され、5mの複合材製のフェアリングは5mの派生型として使用される。より長い形式として、ボーイングが生産したタイタンIV用5m径のアルミ製アイソグリッド構造のフェアリングもヘビー仕様に使用可能である。
デルタIVは全高が63m以上あり、ロケットの登場以来、現用のロケットでは最も高さが高い。
デルタIVは衛星打ち上げ需要よりも既に打ち上げ能力が上回っている時期に市場に参入した。その上、新型のため、信頼性が実証されておらず、商業打ち上げの顧客を市場で獲得することは困難であり、デルタIVの打ち上げコストは競合するロケットよりもやや高かった。2003年、ボーイングは需要の低迷と高コストが原因でデルタIVを商業衛星用打ち上げ市場から撤退した。2005年、ボーイングはデルタIVを商業市場に戻すと述べたが、2006年時点においてそれ以上の発表はない。1回の打ち上げにつきアメリカ政府から14000万ドルから17000万ドルが支払われた。
競合するロケット:
アトラス V -
アリアン 5 -
長征5号 -
アンガラ -
H-IIB -
プロトン -
ファルコン9

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「デルタ IV」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Delta IV 」があります。




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