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トイレットペーパーの向き : ミニ英和和英辞書
トイレットペーパーの向き[といれっとぺーぱーのむき]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
向き : [むき]
  1. (adj-na,n,n-suf) direction 2. orientation 3. aspect 4. situation 5. exposure 6. suitability 7. tendency 

トイレットペーパーの向き : ウィキペディア日本語版
トイレットペーパーの向き[といれっとぺーぱーのむき]

トイレットペーパーの向き(トイレットペーパーのむき)では、壁のホルダーにトイレットペーパーを取り付ける際の紙の向きについて記述する。
壁に対して水平軸を持つホルダーにトイレットペーパーを取り付ける場合、その取り付け方は2通りあり得る。つまり紙を上から引く(表向き)か、下からまわす(裏向き)か、である。どちらを選ぶかは習慣によるところが大きく、ほとんど好みの問題といってよい。アメリカでは消費者と風呂・トイレの専門家を対象に調査が行われたことがあり、60-70%の回答者が紙の先を手前に向ける(表向き)ことを好んだ
一見すると瑣末な問題であるが、この「向き」についてはっきりした意見を持つ人は少なくなく、人生相談で有名なコラムニストであるアン・ランダーズは、自身のコラムの歴史のなかでも最も議論を呼んだテーマだと語っている。どちらの向きの支持者も、美しさや清潔さ、「おもてなし」の面で利点があると主張し、さらには紙を切り取りやすく節約になる、キャンピングカーや猫とも相性が良いなどを根拠に挙げている。いわゆるセレブや専門家がどちらか一方に偏るということはないが、年齢や性別、政治的な信条との関係を指摘する論者もいる。標本調査の結果からは社会経済的なステータスと相関関係が示されているのである
トイレットペーパーの向きをめぐって問題が生じた場合は、妥協だけが解決策というわけではなく、ホルダーを増やしたりトイレやバスルームを別にする方法もある。どちらか一方の向きを国が標準化すべきだと唱えている人間もいるが、ある発明家は多方向にホルダーが旋回する新しいタイプのものがもっと人気が出てほしいと願っている
==トイレットペーパーの社会学==

「Bathroom Politics : Introducing Students to Sociological Thinking from the Bottom Up」と題した論文で、イースタン・インスティチュート・オブ・テクノロジーの教授エドガー・アラン・バーンズ(社会学)は、トイレットペーパーのポリティクスがなぜ考察に値するのかを論じている。それによると、バーンズは、自身が受け持つ社会学の入門講座の初日には学生にこう尋ねることにしているという。「トイレットペーパーはどちらの向きでかけるべきだと思う?」。そして続く50分間で、学生たちはなぜ自分たちがそう答えたのかを問い直しながら「それ以前にはまったく意識的に考えたことのなかった規律と習慣」の社会的構成を探るのである。そこから学生たちはジェンダーの役割や公的、私的な空間の意味、人種民族性、社会階層、年齢といったより大きな社会学の諸テーマとのつながりを見つけていくのである。そしてこの授業の意味はそれだけではない、とバーンズはいう。

バーンズの手法はノートルダム大学の社会心理学コースでも採用されており、バーガーとルックマンの古典ともいうべき著書「The Social Construction of Reality〔山口節郎訳『現実の社会的構成』新曜社、2003年〕」(1966年)の基本原則を示すために用いられている。やはり日常的なトピックである三目並べやパーソナルスペース、歩き方、公衆トイレを使う男性のエチケットなどをもとに「社会学的想像力」(ミルズ)を呼び起こすのである〔. The previous topics are discussed in the section "Finding Sociology in everyday places: a review".〕。
ミシガン大学心理学部教授クリストファー・パタースンは、トイレットペーパーの向きが人の「趣味、嗜好、利害〔"tastes, preferences, and interests"〕」の影響下にあり、価値観や「態度、気質、規範、要求〔"attitudes, traits, norms, and needs"〕」によって決まるのではないと説いている。贔屓するコーラの銘柄やプロ野球チームなどもやはり個人的な利害(interest)によって決まるというが、パタースンによればこの「利害」はアイデンティティーと密接な関係にある。様々な人が多様な利害を持ち、それがその人の「独自性」につながるという考え方はたいへん好まれるし、またそうであってほしいと思われている。一方で利害が食い違うことによって起こることといえば、恥をかいたりやんわりとたしなめられる程度であり、ほとんどの場合、価値観の衝突から生じるような深刻な対立を生むようなことはない。例外があるとすれば、パタースンがいうところの「ちゃんとしなさい人間('get a life' folks)」が、利害をモラルの領域にまで引き上げるときだろう。
ウィスコンシン大学マディソン校の心理学部教授モートン・アン・ゲルンスバハーは、このトイレットペーパーの向きを、食洗機に入れるカトラリーの向きや、どの引き出しに靴下を入れるか、シャワー中にシャンプーと石けんのどちらを先にするかといった問題と比較している。いずれの選択肢においても、マジョリティによるいわば模範回答があるため、なぜマイノリティはもう一方を選んだのかというごく単純な見取り図で問いが立てられがちであるという。さらにゲルンスバハーは神経画像解析にも注意を促している。この手法は2007年ごろに実験に採用されるようになったもので、心的転回と顔の表情から買い物や「くすぐり」まで行動を分析するのだが、彼女によればこの実験は文化的なバイアスやステレオタイプを素通りしてしまう。
バートランド・ケスヴェット(Bertrand Cesvet)は「Conversational Capital」の中で、このトイレットペーパーの問題を儀式化された行動の例とみなしている。デザイナーやマーケッターはこういった手法を通じて商品を中心に忘れられない体験をつくりだす。そしてこの体験が例えば「口コミ」の動きにつながるのである。この本では菓子のチクタクの箱を振ったり、オレオのクッキーを分解したりという行動を例に挙げられている。
実際にトイレットペーパーは「話のタネ」となることがある。ジョン・ハイアットはしばしばコンサートのMCで妻の好みが変わるという話をしているし 、トイレットペーパーの向きの話で一時間使った事もあるジム・ボハノンも、こういった問題こそトークラジオには向いていると語っている。「対話型メディアなので、ある種の衝突はついてまわります。攻撃的な衝突でなくともよいのですが、少なくとも意見の相違があることは大前提です。そういうものは間違いなく広く関心を集めているものですから」。
一方でテレビというメディアではこの問題に言及すること自体が難しくなる。アメリカのメジャー放送局であるNBCとCBSでは、1987年の時点でトイレの脇に架けたトイレットペーパーを撮影してはならないことになっていた 。1970年代のシットコム「オール・イン・ザ・ファミリー」が初めてトイレットペーパーをめぐる議論の一部を放送しており、アーチー・バンカーが紙を「裏側にして」吊せと叫ぶ場面がそれにあたる〔「初めて」としているのはである。議論そのものはで触れられている〕。「シンプソンズ」にもこのテーマが登場する。1995年のエピソード〔「Home Sweet Homediddly-Dum-Doodily」〕では、子どもたちがチャイルド・プロテクション・サービスに保護されてしまい、マージ・シンプソンは自分の家が「汚らしいゴミ溜め」とCPSに認定される。それはトイレットペーパーが「正しくない、上からまわすやり方でかけられていた」からである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「トイレットペーパーの向き」の詳細全文を読む




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