|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ 幻 : [まぼろし] 【名詞】 1. phantom 2. vision 3. illusion 4. dream ・ 幻視 : [げんし] 【名詞】 1. visual hallucination 2. vision
トゥヌクダルスの幻視(トゥヌクダルスのげんし、Visio Tnugdali)は、12世紀頃にアイルランド人でベネディクト会系の修道士であったマルクスがラテン語で執筆した異世界幻視譚である。トヌグダルスの幻視とも〔松田, p.196(67)〕。 ヒルベニア(アイルランド)の騎士であったトゥヌクダルス (Tnugdalus) が体験したとされる幻視について散文で記述されており〔千葉, はじめに〕、レーゲンスブルクの聖パウロ女子修道院長のギゼラへと献呈された〔千葉, ''第一部 トゥヌクダルスの幻視'', 序〕〔千葉, 注釈〕。 ==概要== 1149年にレーゲンスブルクを訪れたマルクスという修道士が聖パウロ女子修道院長であったギゼラに依頼され、トゥヌクダルスの幻視を執筆した〔。 中世のヨーロッパにおいて死後の世界を描写する場合、幻視者の報告という形で記述される伝統があった。本項の幻視譚も、幻視者の報告を元にして修道士が書いたという形式となっている〔。 この幻視譚は、前述の形式の通り、トゥヌクダルスという貴族が語った幻視の内容を、マルクスがラテン語に翻訳した形で記述されているもので〔、トゥヌクダルスが発作で倒れてから、天使に導かれて死後の世界を幻視し、目覚めるという構成になっている〔千葉, ''訳者解説'', (3)死後世界の構造比較, トゥヌクダルスにおける死後世界の構造〕。 トゥヌクダルスが幻視した死後世界は、未判決者の魂の場と、既判決者の魂の場で構成されており、トゥヌクダルスの魂は地上から天使と共に上昇し、未決者の魂が存在する拷問所を通り、死の門より深淵へ落ちゲヘナへと向かう。その後、栄光の場へ向かい一望した後、天使により地上へと返される〔。この死後世界は大きくは「光明の世界」と「暗闇の世界」に分けられるが、未決者の魂が存在する場を煉獄とし、光明の世界を天国、死の門より下を地獄とも位置づけることができる〔。この幻視譚はのちのダンテ『''神曲''』などの幻視文学に大きな影響を与えた〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「トゥヌクダルスの幻視」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|