翻訳と辞書
Words near each other
・ トストーネ
・ トストーネス
・ トスネット
・ トスフロキサシン
・ トスプランニング
・ トスリンク
・ トズール
・ トズール県
・ トタ
・ トタティチェ
トタテグモ
・ トタテグモ下目
・ トタテグモ亜目
・ トタル
・ トタン
・ トタン屋根のワルツ
・ トタール
・ トダカ
・ トダシバ
・ トダシバ属


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

トタテグモ : ウィキペディア日本語版
トタテグモ

トタテグモ(戸立て蜘蛛)というのは、原始的なクモ類である。トンネル状の巣の入り口に扉をつけることからその名がある。クモ目クモ亜目カネコトタテグモ科 とトタテグモ科 に属する種を指すが、主としてトタテグモ科 に属するクモである。地中に穴を掘り、その入り口に扉を付けることが特徴である。
== 巣の形態 ==
日本で最も普通の種は、キシノウエトタテグモ である。本州中部以南に分布し、人家周辺にも普通に生息する。コケの生えたようなところが好きである。地面に真っすぐに穴を掘るか、斜面に対してやや下向きに穴を掘る。穴は深さが約10cm程度、内側は糸で裏打ちされる。穴の入り口にはちょうどそれを隠すだけの楕円形の蓋がある。蓋は上側で巣穴の裏打ちとつながっている。つながっている部分は狭く、折れ曲がるようになっていて、ちょうど蝶番のようになる。蓋は、巣穴と同じく糸でできている。そのため、裏側は真っ白だが、表側には周囲と同じような泥や苔が張り付けられているため、蓋を閉めていると、回りとの見分けがとても難しい。
クモ本体は体長15mmくらい。触肢が歩脚と見かけ上区別できないので十本足に見える。これは原始的なクモ類に共通する。鋏角は鎌状で、大きく発達していて、穴掘りに使用する。全身黒紫色で、腹部にはやや明るい色の矢筈(やはず)模様がある。クモは巣穴の入り口におり、虫が通りかかると、飛び出して捕まえ、巣穴に引きずり込んで食べる。大型動物が近づくと、蓋を内側から引っ張って閉じる。さらに接近すると、巣穴の奥に逃げ込む。巣穴の奥に産卵し、子供としばらくを過ごす。子供は巣穴を出てから空を飛ぶことなく、歩いて住みかを探す。
環境省のレッドデータブックでは、「準絶滅危惧」とされる。
近年、近似種のオキナワトタテグモ の亜種とされた〔京都府レッドデータブック 〕。
オキナワトタテグモ沖縄本島に、さらに周辺諸島ではそれぞれ固有種が分化している。
同じように地中に穴を歩って巣を作り、入り口に扉をつけるものにキムラグモがあるが、巣穴の裏打ちに糸を使用しない点が異なる。
両開きの扉を作るものもある。カネコトタテグモ科に属するもので、日本では本州固有種であるカネコトタテグモがそれである。多くは苔の生えた斜面に巣穴を掘る。その巣穴の入り口は、左右に開くようになっているが、キシノウエトタテグモの場合のように、蝶番部がはっきりしている訳ではないので、あまり扉らしくは見えない。閉じている時には、中央に、縦に閉じ目がわずかに見えるが、蓋の表面は周囲と同じ苔などで覆われ、発見するのは大変困難である。北海道エゾトタテグモも同様の巣を作る。
近縁なものであるが、生息環境が変わっているのが、キノボリトタテグモである。このクモは、ほかの仲間と異なり、巣穴を掘らない。苔むした樹や、岩の上に生息し、樹皮や岩の上に、指貫き状の短い袋を糸で作る。そしてその口に一枚扉をつける。蓋の表と同様に、巣の表面にも周囲の苔や泥などをつけるため、発見はやはり難しい。クモは蓋の裏側に留まっており、餌が通りかかるのを待っている。蓋を無理やり開けてやると、蓋の裏側に身を縮めて留まっているのが見える。神社など、古い森林に見つかるが、近年は減少が著しい。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「トタテグモ」の詳細全文を読む




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.