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トハラ人 : ミニ英和和英辞書
トハラ人[とから]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ひと]
 【名詞】 1. man 2. person 3. human being 4. mankind 5. people 6. character 7. personality 8. true man 9. man of talent 10. adult 1 1. other people 12. messenger 13. visitor 1

トハラ人 : ウィキペディア日本語版
トハラ人[とから]

トハラ人(トカラ人、ギリシャ語:Τόχαροι、英語:Tocharians)は、古代ギリシア・ローマの史料〔ストラボン『ギリシア・ローマ世界地誌』、ユニアヌス・ユスティヌス抄録『地中海世界史』〕にグレコ・バクトリア王国を滅ぼした遊牧民(トカロイ、Τόχαροι Tokharoi)として記されている民族。
または、バクトリアがトハラ人の土地という意味でトハーリスターン(トハリスタン)と呼ばれるようになった地域に住んだ人々を指し、中国や日本の史書では吐火羅人と表記される。
または、かつてタリム盆地で話されていたトカラ語の話者を指す〔資料によってはtoxri(回鶻語)、twxry(突厥語)、tusara(梵語)、tuxara(パフラヴィー語)、thod-kar(チベット語)、tochari(ラテン語)、吐火羅(漢語)と表記される。〕。最近の研究ではトカロイとトカラ語話者が同じともされる〔徐文堪『吐火罗人起源研究』〕。
== 歴史 ==
古代ローマストラボンはその著書『地理書』(Geographica)〔『ギリシア・ローマ世界地誌』のこと。〕において、ギリシア人からバクトリアネ地方(バクトリア)を奪ったスキタイ系諸族として、アシオイ,パシアノイ,トカロイ,サカラウロイ〔ポンペイウス・トログスの『地中海世界史』では、「サラウカェ族とアシアニ族がバクトリアとソグディアナを占領した」としている。〕を挙げており、これがトハラ人の初出と思われる。「ギリシア人からバクトリアネ地方を奪った」とはグレコ・バクトリア王国を滅ぼしたことを指しているが、それが何年に起きたのかは不明で、ただ紀元前130年代のいずれかに起きたことは確かである。トハラ人はその後もバクトリアに居座ったと思われ、中国の史書がこの地を吐火羅〔『隋書』、『北史』、『旧唐書』、『新唐書』〕,覩貨邏〔『大唐西域記』〕と呼んだり、西方史料がトハーリスターン(トハリスタン)と呼んだりしたのも、そのためだと思われる。
紀元前129年頃、前漢張騫がこの地を訪れ、当時の大夏国の様子を見聞している。この大夏国であるが、この時すでに大月氏の侵攻に遭って大月氏の占領下となっており、城郭に住む大夏人は戦を恐れていたという〔『史記』大宛列伝〕。ここで、紀元前130年代にトハラ人によって占領されたバクトリアはトハリスタン(大夏国)となったものの、まもなく新たに大月氏の侵攻を受け、トハラ人ともども支配されたと推測されるが、詳細は分からない〔これについて古くから議論されており、「大夏はグレコ・バクトリア王国を指す」(現在は支持されていない)であるとか、「アシオイ,パシアノイ,トカロイ,サカラウロイの四種族全体が大月氏を指す」とする説、「匈奴の敦煌以西の征服時に月氏共々トカラ人の一部も西進してバクトリアへ侵攻した」とする説などがある。〕。
一方、パルティア王国アルタバノス1世(在位:前128年頃 - 前123年頃)は遊牧民であるトカロイ族に悩まされ、ついに戦争を仕掛けたが、腕に負った傷がもとで死んだ、ということがポンペイウス・トログスの『ピリッポス史』〔『地中海世界史』のこと。〕に記されている。〔合阪 1998,p439〕
これ以後のトハーリスターンにおける遊牧民トカロイの事績は不明だが〔出土物から大月氏やクシャーナ朝の統治下でトカラ語話者が支配層の一角にいたことが推定されている。徐文堪『吐火罗人起源研究』〕、トハラの地(トハリスタン、吐火羅国)と名付けられたこの地域はクシャーナ朝エフタル突厥と、さまざまな支配者に支配されながらも、シルクロード交易の中心地として繁栄することとなる。
7世紀以降、トハーリスターンはイスラム王朝の支配下に入ってイスラーム化するとともに、ホラーサーンの一部となったため、次第にトハーリスターンの語は使われなくなっていった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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