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ソアラ(SOARER)は、トヨタ自動車が1981年(昭和56年)に発売した高級クーペである。 日本でのみ販売され、3世代目以降のモデルは輸出仕様である「レクサス・SC」のバッジエンジニアリングとなっていた。2005年(平成17年)、日本でもレクサス・SCとしての販売が開始されたことに伴って絶版となった。 == 概要 == ソアラの開発は初代発売5年前の1976年までにさかのぼる。すでにこの時期日本車は海外、特にアメリカで高い評価を得ていたが、それは小型大衆車だけの話であり、上級車種についてはさほど評価を得られていなかった〔トヨタ・クラウン、日産・セドリックなどが輸出されていたが、日本では高級車であっても、アメリカの基準では大衆車並の車体と排気量の自動車であり、車体が小さな割に不釣り合いに装備が豪華という事で、極めて不評であった。唯一人気があったのは、日産・フェアレディZだが、日本国内では高級スポーツカーという位置づけだが、アメリカではプアマンズ・ポルシェと呼ばれ、廉価な大衆向けスポーツカーという位置づけであった。〕。しかもアメリカやヨーロッパ市場においては地元企業保護のために輸出台数規制が敷かれており、利幅の大きい上級車種の投入による収益増加が必要であった。折りしも排ガス対策などが一段落し、トヨタ社内からも「2000GTのような新しいイメージリーダーが欲しい」という声が上がっていたことから世界レベルで通用する高級車、具体的には「メルセデス・ベンツ・SLクラス」や「BMW・6シリーズ」といったヨーロッパの高級GTカーを目標に開発された。 日本の高級パーソナルカー市場ではすでに日産・レパードが前年に登場していたが、レパードが従来のOHC方式の6気筒L形エンジン および4気筒Z型エンジンをラインナップしていたのに対し、ソアラでは全グレード6気筒のラインナップとし、さらにM型エンジンを2800ccおよびDOHC化して搭載し、パフォーマンスで優位に立った。このことが高級パーソナルクーペとしてのブランドイメージを向上させることとなり、高級パーソナルクーペ市場でのセールスでは一人勝ちとなった。 同じ車格の2ドア車であるクラウン2ドアハードトップはソアラの成功を見届け、1983年(昭和58年)以降は後を譲るように造られなくなった。 また、ソアラはトヨタ自動車の先端技術の多くを初採用したイメージリーダーカーでもあった。初代ソアラで採用されたTCCS、ECT、TEMS、エレクトロマルチビジョンや、二代目ソアラで採用されたスペースビジョンメーター、エアサスなどの技術は、現在のトヨタ車にも進化しながら採用され続けている。 上述のとおり当初から輸出を念頭に開発されたが、初代・2代目は日本国内専用車種であり海外には輸出されなかった。海外輸出がなされるのは3代目以降となる。同クラスの後継車種として現在はレクサス・RCがレクサス店で販売されている。〔当時、海外のトヨタディーラーではソアラとほぼ同じ車格のスープラ(当初の日本名はセリカXX、1986年以降は日本で同名で発売)が発売されていたこともあり、販売面を含めた差別化が図れなかったことが一因である。また、アメリカ市場において直6エンジン搭載車種は高級車として認知されておらず、前述のクラウンやセドリックのアメリカ市場での不人気も、これが原因のひとつである。海外輸出がなされた3代目は、レクサスブランドでの発売、V8エンジンがラインナップに加えられている。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「トヨタ・ソアラ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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