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トリウム燃料サイクル(トリウムねんりょうサイクル、Thorium fuel cycle)は、トリウム232からウラン233を得て利用する核燃料サイクル。 核燃料として、ウラン燃料サイクルでは天然ウランに含まれる核分裂性のウラン235を濃縮するが、トリウム燃料サイクルでは天然トリウムを核反応で核分裂性のウラン233に変換する〔トリウムを用いた原子炉 (03-04-11-01) 原子力百科事典〕。これをトリウム-ウラン系列と呼び、2011年現在インドが商用炉で利用している。日本でも法令上核燃料物質に指定されているが、商用炉で使用されたことはない。 なお、トリウム系列はトリウム232のアルファ崩壊を中心とした放射性崩壊過程を指し、核燃料サイクルにおけるトリウム-ウラン系列とは別のものである。ウラン系列とウラン燃料サイクルにおけるウラン-プルトニウム系列も同様。 == 概要 == 炉内で「燃料親物質」のトリウム232原子核が中性子を吸収(中性子捕獲)して中性子過剰核のトリウム233に変わり、プロトアクチニウム233を経て「核燃料物質」のウラン233となる。 ウラン233が核分裂反応を起こすと、中性子は平均2.6個放出され、これが別のウラン233を核分裂させたり、トリウム232をトリウム233に変えることで、連鎖反応が成立する。 ウラン燃料サイクルでも、炉内でウラン238がプルトニウム239に転換する「ウラン-プルトニウム系列」が進行している。得られるエネルギーの3割ほどを占めているが、副次的なものに留まっていて、本格利用に向けた高速増殖炉の開発は難航している。 核反応系列は多数あるが、このような利用が可能なものは限られている。プロセスが成立(連鎖可能)しているだけでなく、実用可能な期間で循環できる、つまり系列を構成するすべての核種が短い半減期を持つ必要がある。核反応の系列と半減期は原子核物理学の法則で決まっており、現在知られている限りウラン-プルトニウム系列とトリウム-ウラン系列だけが該当する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「トリウム燃料サイクル」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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