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ドウクツヌマエビ属 ( リダイレクト:ドウクツヌマエビ ) : ウィキペディア日本語版
ドウクツヌマエビ

ドウクツヌマエビ(洞窟沼蝦)、学名 ''Antecaridina lauensis'' は、十脚目ヌマエビ科に分類されるエビの一種。インド太平洋熱帯域の島嶼に広く分布し、海岸の「陸封潮溜まり」を生息地とする特異な生態をもつエビである。本種のみでムカシヌマエビ属(ドウクツヌマエビ属) ''Antecaridina'' を構成する〔三宅貞祥『原色日本大型甲殻類図鑑 I』ISBN 4586300620 1982年 保育社〕〔林健一『日本産エビ類の分類と生態』 II. コエビ下目(1) ISBN 9784915342509 2007年 生物研究社〕。

==特徴==
成体は体長15mm程度で、日本産ヌマエビ類としては小型である。額角は短くて鋸歯もない。複眼は小さく退化しているが触角が長い。顎脚と歩脚全てに外肢がある。頭胸甲は丸みを帯び、眼上棘は無いが、眼より外側に触角上棘と前側角棘がある。成体の体色はく、黄色の斑模様が出るものもある。ヌマエビ科の中でも最も原始的な形態を残す種類とされている。
生息地は南西諸島南大東島宮古島伊良部島竹富町黒島小笠原諸島西之島ハワイ諸島フィジーソロモン諸島フィリピンマクタン島マダガスカル北西のEuropa Islands、紅海のEntedebir Islandの記録がある。インド太平洋熱帯域の島嶼に広く分布するが、その割りに知られている生息地は少ない。タイプ産地はフィジーのラウ諸島で、学名の種名"''lauensis''"もここに由来する。
島嶼部の海岸にある洞窟井戸、岩礁の窪み等の地下水系に生息する。長い触角と退化した眼は暗い環境に適応したものである。またヌマエビ科ではあるが、海水の影響がある小規模な汽水域、いわゆる「陸封潮溜まり」と呼ばれる環境に棲むのが特徴である。これは生息範囲としては制約が大きいが、魚類などの天敵もいない。日本の南西諸島では同様の環境にチカヌマエビ ''Halocaridinides trigonophthalma''、アシナガヌマエビ ''Caridina rubella'' 等も見られるが、本種は顎脚と歩脚に外肢がある点で区別できる。
人目に付きにくい環境に生息するうえに利用もされず、生態の詳細は不明である。飼育下で6年以上生存した記録があり、これはヌマエビ科としては長寿だが、その期間中にも抱卵せず、繁殖・発生・生活史等のデータは得られなかった〔〔沖縄県文化環境部自然保護課『改訂版 レッドデータおきなわ-動物編- (6)甲殻類』(解説 : 諸喜田茂充)2005年 〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ドウクツヌマエビ」の詳細全文を読む




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