|
nitrene
ニトレン または ナイトレン (nitrene) とは、HN: と表される中性分子の名称〔IUPAC Gold Book - nitrenes 〕。または HN: を母化合物とする一連の誘導体 R-N: のこと。まれに アミニレン (aminylene) とも呼ばれる。類縁体にあたる炭素化合物がカルベンであり、性質が類似する。 == 性質 == ニトレン窒素上の価電子は 6個でオクテット則を満たさないため、基本的には強い求電子性を示す。このことはカルベンと同様である。通常は不安定で速やかに周りの置換基や分子と反応してしまうのだが、低温ではアルゴンなどをマトリクスとして取り出すことができる〔例: Cerro-Lopez, M.; Gritsan, N. P.; Zhu, Z.; Platz, M. S. ''J. Phys. Chem. A'' 2000, ''104'', 9681-9686. DOI: 10.1021/jp0021401 〕〔例: Smolinsky, G.; Wasserman, E.; Yager, W. A. ''J. Am. Chem. Soc.'' 1962, ''84'', 3220-3221. DOI: 10.1021/ja00875a060 〕〔HN:の分子錯体を得た例: Maas, M.; Gross, Ch.; Schurath, U. ''Chem. Phys.'' 1994, ''189'', 217-234. DOI: 10.1016/0301-0104(94)00265-7 〕。また、遷移金属上に配位することで R-N=M の形(ナイトレン錯体、ナイトレノイド、nitrenoid)となれば比較的安定である。 2012年、リンと配位させたアジ化物を光分解させることで初めて安定したニトレンの合成に成功した〔Fabian Dielmann, Olivier Back, Martin Henry-Ellinger, Paul Jerabek, Gernot Frenking, Guy Bertrand Science 337, 1526 (2012), DOI: 10.1126/science.1226022 〕。 カルベンと同様に一重項状態と三重項状態が存在し、多くのニトレンは三重項状態が基底状態と見られている。マトリクス法で取り出された例も多くが三重項ニトレンである〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ニトレン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Nitrene 」があります。 スポンサード リンク
|