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ナチシダ ''Pteris wallichiana'' は、イノモトソウ科のシダ植物の一つ。大きくなり、葉全体の形が五角形をしているのが特徴である〔以下、主たる内容は岩槻編(1992)p.139〕。 名前は和歌山県の那智にちなみ、明治20年(1887年)に三好学によって那智滝周辺で発見されたことによる〔南紀生物編(1979).p.175〕。 ==特徴== 背丈が1mを越え、葉の全長は2mにもなる大型の多年生草本。常緑性だが分布域の北限近くでは冬に地上部が枯れる。 根茎は短くて斜めに立ち、赤褐色の鱗片をまばらにつける〔田川(1959)p.60〕。葉柄はほぼ直立し、長さ1m、太さは親指大に達し、赤褐色から暗紫色に色づき、光沢がある。基部には鱗片がある。 葉は葉身部だけで差し渡しが1mを越える。葉柄の先端で大きく三つに分かれ、さらに側枝の基部近くからも基部方向に枝を出すため、全体が五角形になり、ほぼ水平に開く〔牧野(1961),p.22〕。それぞれの枝には一回羽状複葉の形の羽片が着き、主軸のそれが最も大きく、側枝の分枝のそれはやや小さい。葉質は草質で緑色。 羽片を構成する小羽片は羽状に深く裂け、先端はやや長い頂羽片となる。側方の裂片は線状披針形で先端に向けてやや鎌状で、長さ1.2-2cm、幅2-4mm。胞子嚢のつかない部分の縁は細かな鋸歯がある。胞子嚢群はこの裂片の側面に長く伸び、基部と先端で切れる。また巻き込んだ葉縁からなる偽包膜に包まれる。また、裂片の中肋基部を繋ぐ葉脈が、小羽片の中脈の周囲に網目を作るという特徴がある。 特殊な成分としてフラボノイドや様々のセスキテルペンが含まれることが知られる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ナチシダ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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