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ガチョウ足行進(ガチョウあしこうしん、、英:Goose-Step、仏: Pas de l'oie、伊:Passo dell'oca、西: Paso de ganso)とは、閲兵式や衛兵交代の際の行進の形式の1つに対する呼称である。英語からグースステップともいう。 == 概要・沿革 == 膝を曲げずにまっすぐ伸ばした脚を高く上げるのが特徴〔行進のテンポ等に応じて、腰の高さ、ほとんど地面と水平になるまで振り上げる場合、膝の高さまで振り上げる場合がある。〕。手の振り方は国によって異なる〔旧ソ連軍やその影響下にある東ドイツや朝鮮民主主義人民共和国など社会主義諸国では、前に出した腕の肘を曲げて拳を上半身の胸の辺りに引き寄せる。ただし観兵式では、「かしら右」から「直れ」までの間、両腕を脇に下げたまままったく振らない姿勢に切り替えて行進を続ける。ドイツ軍では手指を伸ばして揃え、前に出した腕の掌をベルトバックルの前に引き寄せる。台湾、イラン、アルゼンチンなどでは、まっすぐ伸ばした腕をそのまま前後に振る方式がとられている。〕。高速では歩けない。 この行進を行う姿が、ガチョウが歩く姿を連想させたところから生じた呼称(俗称)で、どちらかといえば揶揄的な表現である〔軍隊等でこの行進形式を取り入れている国の国内では独:Paradeschritt または Stechschritt 、西: Paso Regular、中:正歩などと呼ばれる。〕〔http://history1900s.about.com/library/photos/blywwiip142.htm〕〔http://www.geocities.com/larwilson2001/goose.JPG〕 とりわけ20世紀半ばからはナチス・ドイツのイメージと結びついて記憶されており、そのような事情からしばしばナチス式行進とも呼ばれる。 プロイセン陸軍が発祥と考えられるが、明確な発生の事情は不明。軍部隊の同歩行進の特殊な形式で、プロイセン軍を中核とした統一後のドイツ軍に引き継がれ、式典や閲兵式にデモンストレートされた〔http://www.firstworldwar.com/photos/graphics/hw_kaisergoosestep_01.jpg〕〔http://www.seedsofdoubt.com/distressedamerican/images/graphics/GooseSteppingNazis.jpg〕。 世界各国の軍隊でこの行進形式が取り入れられているのは、主に以下の経路による。 #ドイツ経由:19世紀後半から20世紀初頭にかけて、プロイセン陸軍を模範として軍近代化を図った国々が、他の軍制度と同時にこの行進形式も導入。例:中華民国、南米諸国等。また1930年代 - 40年代には枢軸国でナチス・ドイツの行進が模倣される。例:イタリア(ムッソリーニ政権時代)等〔こうした経緯をたどった国の軍隊が、すべてガチョウ足行進を採用しているとは限らない。例えば明治以降プロイセン陸軍に範をとり、昭和期には枢軸国となった日本陸軍ではガチョウ足行進は採用されず、建軍前後に影響を受けていたフランス流の徒歩行進を用い続けた。トルコ軍は、オスマン帝国時代にはドイツとの提携を強め、軍服にもドイツの影響が見られたが、現在アタテュルク廟で行われる衛兵交代式では脚は高く上がるもののひざは曲がっており、いわゆる「ガチョウ足行進」とは異なる方式になっている(ノートでの議論参照)。また、枢軸諸国の支援と影響を強く受けて成立したフランコ政権下のスペイン軍でもガチョウ足行進は行われなかった。〕。(次節では◆で示す) #ロシア・ソ連経由:第二次世界大戦後、社会主義体制をとった国々で、ロシア帝国〔18世紀からプロイセンより軍事顧問を招聘し、軍制改革を盛んに行ってきたロシアにもこの行進が導入されていた。東ヨーロッパにおいて汎スラヴ主義政策をとりロシアと緊密であった国には、〕からこの行進を引き継いだソ連軍の影響で広まる。例:ソ連諸国、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、ベトナム、キューバ等(モンゴルは同様の経緯で第二次世界大戦前から)。(次節では★で示す) #以上2つの経路のいずれか判別しがたい、または双方の要素が混在していると推測される国々。例:中・東欧諸国。(次節では△で示す) この行進形式は、厳しい訓練や規律正しさ、威厳をアピールする視覚的効果が高い(いわば「式典映えする」)反面、しばしば独裁的・権威主義的・軍国主義的・全体主義的な政治体制のイメージと結びつき〔したがって、民主主義が機能している(・いた)とされる諸国の軍隊(ワイマール共和制下のドイツ軍や、1973年のクーデター以前・1990年の民政移管後のチリ軍など)においてガチョウ足行進が行われている(・いた)例があるし、逆に軍事政権・独裁政権と称される国々がこぞってガチョウ足行進を採用した(・している)わけではない。例えばアミン政権下のウガンダ軍やフセイン政権下のイラク軍はイギリス式、朴正煕以降の軍事政権下の韓国軍やマルコス政権下のフィリピン軍はアメリカ式の行進方式を、それ以前と変わらず採用していた。〕、こうした政治体制の変革や否定(敗戦も重要な契機の1つである)にともなって廃止される場合が多い〔そのなかでも最も著名で典型的なものは、「発祥の地」ともいうべきドイツにおいて第二次大戦後、ドイツ連邦共和国(1990年の東西統一までの「西ドイツ」)のドイツ連邦軍が、ナチス・ドイツのマイナスイメージから脱却を意図してガチョウ足行進を廃止した事例であろう。〕。 20世紀、自国ないしその体制に肯定的なニュアンスで(またはさらに積極的なプロパガンダの役割を期待されて)つくられた写真・ポスター・映像などが、正反対の否定的なニュアンスで用いられることがしばしば生じたが、いくつかの国の「一糸乱れぬガチョウ足行進」の写真や映像はこの典型的な対象となってきた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ガチョウ足行進」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Goose step 」があります。 スポンサード リンク
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