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ナンジャモンジャゴケ属(''Takakia'')は、コケ植物の1属。北アメリカ西部と東アジア中央部に分布する2種が属する。他のどのコケ植物とも異なる、独立した綱として分類される(蘚綱に含めることもある)。分類が長い間不明であったが、胞子体が発見されたことに伴い、コケ植物として認識されるようになった。 == 発見 == ナンジャモンジャゴケ属の種は、1861年にヒマラヤで最初に発見された。しかし当初は単にゼニゴケ植物門に属する1種(''Lepidozia ceratophylla'')として記載され〔Renzaglia, K. S., K. D. McFarland, & D. K. Smith. 1997. Anatomy and ultrastructure of the sporophyte of ''Takakia ceratophylla'' (Bryophyta). ''American Journal of Botany'' 84(10): 1337-1350.〕、その後長い間その存在が見過ごされてきた。20世紀中頃になって、日本の植物学者である高木典雄が、その種に似た奇妙な植物を発見したことで、一気に注目が集まった。多くの独特な特徴を持ったその植物は、1958年にナンジャモンジャゴケ(''Takakia lepidozioides'')と記載され、新属であるナンジャモンジャゴケ属(''Takakia'')に分類された〔Hattori, S. & H. Inoue. 1958. Preliminary report on ''Takakia lepidozioides''. ''Journal of the Hattori Botanical Laboratory'' 18: 133-137.〕。なお属名の ''Takakia'' は、発見者の高木にあやかってつけられた。この記載に伴い、先に記載されていた種 ''Lepidozia ceratophylla'' についても、改めてヒマラヤナンジャモンジャゴケ(''Takakia ceratophylla'')と記載された。 当初発見されたナンジャモンジャゴケは、何らの繁殖器官をもっておらず、胞子を作らない配偶体しかもっていなかったが、その後の研究で、コケ植物に似た造卵器をもつ配偶体が発見された。そして1993年には、アリューシャン諸島で見つかった生育良好なヒマラヤナンジャモンジャゴケが、造精器と胞子を形成していることがはじめて報告された〔Smith, D. K. & P. G. Davison. 1993. Antheridia and sporophytes in ''Takakia ceratophylla'' (Mitt.) Grolle: evidence for reclassification among the mosses. ''Journal of the Hattori Botanical Laboratory'' 73: 263-271.〕。その造精器と胞子からは、原始的なコケ類がもつ構造が発見された。当初どの分類群に分類されるべきかを決定付ける構造が見つからず、分類をコケ植物とする意見〔Murray, B. M. 1988. Systematics of the Andreaeopsida (Bryophyta): Two orders with links to ''Takakia''. ''Beihefte zur Nova Hedwigia'' 90: 289–336.〕や、藻類とする意見〔Persson, H. 1958. The genus ''Takakia'' in North America. ''Bryologist'' 61: 359–361.〕、さらには菌類とする意見〔Hattori, S., A. J. Sharp, M. Mizutani, and Z. Iwatsuki. 1968. ''Takakia ceratophylla'' and ''T. lepidozioides'' of Pacific North America and a short history of the genus. ''Miscellanea Bryologica et Lichenologica'' 4: 137–149.〕まであったが、この造精器や胞子の発見によって、ナンジャモンジャゴケ属は特異なコケ植物の1群であることが明らかになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ナンジャモンジャゴケ属」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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