|
ニオイスミレ(匂菫、学名:''Viola odorata'')は、スミレ科スミレ属の耐寒性多年草。 ==特徴== 寒さには強いが暑さにはかなり弱い多年草である。西アジアからヨーロッパ、北アフリカの広い範囲に分布し、また、バラ、ラヴェンダーとならぶ香水の原料花として、古くから栽培されている。 草丈10-15cmで、茎は匍匐し、葉は根生で、他のスミレ類と同じく、ハート形である。花は露地植えでは4月から5月にかけて咲き、左右相称の5弁花で、すみれ色またはヴァイオレット・カラーと呼ばれる明るい藍色が基本だが、薄紫・白・淡いピンクなどもあり、八重咲きもある。パンジーやヴィオラに比べると花も小さく花付きも悪いが、室内に置くと一輪咲いているだけで部屋中が馥郁たる香りに包まれるほどの強い香りがある。 種子や根茎には神経毒のビオリン等があり、嘔吐や神経マヒを発症することがある。反面、薬草として古来より活用されてきた。ヨーロッパでは咳止めや消炎剤、目薬として利用されている。古代ギリシアでは花に含まれる鎮静作用が知られており、怒りを鎮めたり就寝時に使用した。アテネの周囲にはニオイスミレが群生していたため「ニオイスミレの都」と呼ばれていたという〔マーガレット・B・フリーマン著 遠山茂樹訳『西洋中世ハーブ事典』、八坂書房、2009年、pp148-149〕。 ニオイスミレの香気は、ヨーロッパでは古くから化粧品、ハーブティーやワインなどの飲み物、砂糖漬け、お菓子など、さまざまなものにも使われて来た歴史がある〔北野佐久子『基本ハーブの事典』東京堂出版、2005年、 p58〕。ヴァイオレット・リキュールの香りはニオイスミレを用いるものと特筆され、他のスミレからはその独特の香りを出すことは出来ないとされる。 ニオイスミレは永遠の愛や思いやりのシンボルとされ、プレゼント用の小箱などの装飾図柄のモチーフとしてよく利用される〔武政三男 『スパイス&ハーブ辞典』、文園社、1997年、p109〕。また、聖母マリアの控えめさと誠実さを象徴する花であり、ヨーロッパでは葬儀の際に墓石に撒く習慣があった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ニオイスミレ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|